透明な迷路
呼吸さえ出来なくなりそうな生活をいつもしている。
それはまるで透明な迷路に迷う込んだようにも思えて、
見えない壁に気を使い、先の見えない不安に駆られ、
得体のしれない圧迫感に五感を塞ぎたくなるような。
終わりのない迷路。
人はいつか、辛かった記憶さえも美化してしまうのだろう。
誰かの死がいずれ美しいものとされ、忘れられていくように。
美化され、そして消えていく。
私はいずれ、この記憶を美しいと思えてしまうのだろうか。
辛く、苦しく、悲しく、吐き出したくなるようなこれらを、
美しいと、よかったと思えてしまうのか。
もしそうならば、私はそれが許せない。
だって、そんなことをしてしまったらあの子が報われないから。
終わりの見えない日々の中で、私が唯一見つけた出口。
それが“死”だった。
それこそが生きる意味なのだと、幸せなのだと思っていた。
でも、そんなことはなかった。
あなたが違うのだと否定した。
そんな言葉、いつの私が想像できただろうか。
いつかあなたが私にくれたたくさんの言葉を、
あなたに返せる日は来るのだろうか。
あなたにその言葉たちを返せるほど、
私が強くなれる日は来るのだろうか。
そんなことは誰も知らない。それでいいんだ。
ただあなたがそこにいてくれれば、それでいいんだ。




