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遺言

作者: Airan-altvier


2011.03.04


私の死後にも生き残る誰か様へ



こんにちは、こんばんは。

私が決行したのが太陽の時間か、月と星の時間か分からないけれど

これを読んでいる誰かが居るってことは、私は念願を叶えたのでしょう。

どんな方法だったかしら。服毒?飛び降り?それとも首吊り?

どんな方法だとしても、私に酷いことをしてきた人たちは、我慢を強いてきた人たちは、後悔してくれたかしら。


私が何を思っていたか、どんな風に感じていたか。

生きている間に耳を傾けてもらえなかったのだもの、そんな事はきっと些細などうでもいいことなのです。

死を選んだ理由だって、敢えて言わないわ。

私の言葉を聞いてくれてた人には分かることだから。



大事なことは、ここから。


ひとつめ、私の持ち物は全て捨てて。

私が生きていた痕跡、思い出、記憶。

その全てを消し去って。持つ必要もないんだから、形見なんて1つも残さないで。


ふたつめ、お葬式なんてあげないで。

先に行った通り、思い出とかに残されたくないの。


みっつめ、お墓もいらない。

海でも空でも砂漠でも、家じゃなければどこでもいい。

死んだ後くらい私を自由にして。




どうか、後に残る皆々様にも、私と同じ暗く沈んだ日々が訪れますように。

生前生後ずっとずっと、祈っています。」





この頃日課になっている、毎晩の日記ならぬ遺言。

私は死ねるのだろうか。いつまで生きている気なのだろう。

帰りたくない。帰りたくないから外に出たくない。外に出てしまったら泣きながら家に帰る日々。

これって異常よね?私が置かれている環境って、まさしく地獄。

いつになったら解放されるの?

ずっとずっと、愛されてるって思ってたのに。

こんな裏切りってあんまり。

酷いことを私にしてるのに、私が本当に自死したりしたらきっと泣くんでしょう?悲しむんでしょう?

大人に気を使って生きて行くの、私は辛いのよ。苦しいのよ。



つい、涙が溢れる。



私は無力。何も出来ない。


死ぬことも逃げ出すことも出来ない。



涙が頬を伝って行くのを感じながら


暗い部屋の中、




眠りに落ちて行く。












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