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初任務

先に言っておきます。この話は個人的に好きです(だからなんだよ。)


面白いんで! 是非ブクマを!

あと、感想欲しい……ダメ出しでもいい!

直すから、そしたらもう一回見に来てください。

 朝8時。隼人、花梨、裕太の3人は学食で食事を済ませてから教室へと戻って来たところだ。雑談も増え、かなり仲良くなっている。


「ちゃんと三人とも揃ってるな、偉いぞ」


 8時ぴったりに入ってきた龍はそう言いながら教壇の前へと歩いていく。


「先生。ここが寝室代わりになるって事は、僕達毎日ここで暮らすって事ですか? なんか、もっとまともな部屋ないんですか……?」


 この教室は、ベッドやテレビ等の生活雑貨は一式揃っている。更にプライバシーを守るために教室内を分割することも出来る。ここで足りるが故に他の部屋はないのだ。


「寝られるベッドがあるだけマシだと思え。これから長期任務になった場合ベッドなんかでは寝られないからな」

「分かりました」


 あまり時間が無いと言った様子で、龍は早めに答えて次の予定を話し始める。


「それじゃあ、早速だが今日の予定について話そう。今朝、武装集団がこの近辺の銀行を襲うという事件が確認されている。これが我々への挑発行為なのかは分からないが、能力者の存在は報告されていない。そこで、危険度低と上からの判断がなされ、このチームが抜擢された」


 龍は一気に全文を読みあげると隼人たちの行動も見ず、すぐに出かけようとする。


「もう行くのかよ?」

「当たり前だろ、早くしないと被害が拡大する」


 三人も龍が来る前に動きやすい服に着替えていてるが、出かける準備はまだ終わっていない。


「こいつらはかなり組織的な動きをしている分、基地の場所も把握済みだ。そこを壊滅させる」


 隼人は初任務で緊張しながらも、物凄くワクワクしていた。相手が能力者じゃないと聞いて少し物足りなさは感じていたが。


「じゃあ行くぞ、死なないようにこれを渡しておく」


 そう言って渡されたのは救急セットである。小型のカバンに色々な薬品が詰まっているが、使い方がわからないのも多数あるようだった。

 龍は全員に渡し終えると、スタスタと歩き始めてしまう。それを追いかけるように三人も出発し、町を歩いていく。


 施設から外に出て数分歩いていると、ひとつのビルの前に着く。龍は常に周りから監視されていないことを確認すると、ビルの中に何のためらいもなく入っていこうとする。


「え! 先生この普通そうなビルに入るんですか? 多分普通のビルだと思うんですけど……」


 見かけはそこら中にあるビルと、ほとんど違いは感じられない。花梨が疑問に思うのも仕方の無いことだ。


「こういうビルで堂々としていることも多々ある。今は強盗などの活動はしていないみたいだが、この中に組織員は大量にいる。絶対に気を緩めるな、能力者は怪我をしにくいとは言え、怪我を全くしないわけじゃないんだからな」

「はーーい」

「もう質問はないな、入るぞ」


 正面玄関は案の定鍵が閉まっている。そんなこともあろうかと、龍は扉を蹴破って入っていく。

 電気はついておらず、陽の当たらない位置に面しているせいでとても暗い。人がいた痕跡もなく、部屋全体が埃も薄く被っていて不気味な雰囲気が出ている。辺りを見渡しても他になにかめぼしい物が見つかる様子も全くない。


「おかしいな……まだ中にいるはずなんだが、仕方がない。上に行くぞ」


 龍の指示に三人は黙って頷く、花梨は緊張のあまり怯えた様子だが裕太はもちろん、隼人もケロリとしている。それどころか隼人は走って先に行ってしまいそうだ。


 一番奥に階段を見つけると、四人は周りを警戒しながら上がっていく。上にあがる途中の踊り場から二階の様子が見え、そこには大量の組織員の姿がある。

 そして、下からも物音が……。

 囲まれたと気づくには一秒とかからない、下にも既に組織員が戦闘態勢に入っていた。


「え、先生これやばくね? どうすんだよ」

「どうもしない。邪魔なら排除するだけだ」

「それが一番得策みたいですね」

「これって……私も戦うんだよね……はぁ」


 龍は今上って来た階段を折り返し、一人で数十の軍団の懐へ入っていく。銃声と叫び声が響きわたり、さっきの静けさはもうどこにもなかった。

 隼人たちは上のフロアを任される。隼人と裕太は握手のような行動を取ると、「一石二鳥」の能力によって裕太にも「疾風迅雷」がうつる。これで二人の攻撃力は増大していく、隼人は疾風の力によって敵陣のど真ん中へ突っ込んでいき、無策で突っ込んだ隼人に対して、裕太は呆れながらも追っかけていく。

 動きを捉えきれない凡人では無様にやられていくだけでバタバタと組織員は倒れる。


「おせぇ!」


 隼人と裕太は見渡す限りの敵全員を倒す。後ろから援護射撃をしている人含めて全員。

 しかし、すぐに倒れている内の一人が立ち上がり三階への階段に向かい上っていく。それを見つけた隼人は追いかけて上に行こうとする。


「隼人! 深追いしたらだめだ!!」


 裕太の言葉を無視し隼人は三階へと上がっていく。仕方がなく、裕太も隼人の方へと向かった。




 隼人たちが三階に上がるのと同時ぐらいに龍も組織員を全員倒し終わる。花梨が龍の元へ駆け寄り、隼人たちが勝手に三階へ上がったことを説明する。


「勝手な行動はするなと言ったのに、なにしてるんだ……」


 龍は、呆れと心配から三階へと向かおうとする……が、その瞬間入口から殺気を感じる。


「おいおいおいおい。今の異能力者養成機関って人手不足なのかよ……こんなガキばっか連れてきやがってよぉ!!」


 入口付近から堂々と入ってきた敵は、語尾を強く言い終わると同時に龍に向かってすごい速度で切りかかる。寸前の所でかわしたはずだったが、龍の頬にはかすり傷ができてしまっている。

 その敵は、龍よりも一回りも大柄で野生のオーラが滲み出ている。鋭い爪を持ち、喋る時にも鋭い歯がよく目立つ。


「お前は……獅子……」

「やっぱり俺クラスにもなると分かっちゃうかぁ? って、お前とは顔見知りだもんなぁ?」

「ここで会うなんて危険すぎる……花梨! 隼人と裕太に伝えてここから逃げろ!」

「……おいおいおいおい。逃がさねぇよ!」


 花梨は二階への階段に向かって必死に走り、それを獅子が追いかける。龍は追いかけるが、間に合うこともなく花梨の腹は切り裂かれて大ダメージを負ってしまう。


「あっは! やっぱり女ってよえーなぁ! だけどなぁ、今は雑魚を殺しに来たわけじゃねぇ。俺の目的はお前だよ……龍。」


 さっきまでヘラヘラしてた感じとは違い、眼光の鋭さも増す。恐らく獅子の素の姿がこれなのだろう。

 獅子の能力は「獅子奮迅」。獅子の様な力と速度を得る……だけではない。獅子が『奮迅』するのだ。その姿は見るにおぞましく、二段構えの技になっている。


「今日は絶対に地獄に堕ちてもらうぞ……獅子」

「やれるもんならやってみろよ、地獄に堕ちるのはお前の方だ」

言霊を持つ者の身体レベルは、持たない者の数倍ある。

能力を使わなくても戦力差は明らかであり、善人悪人問わず、少なからず人から恐れられている。

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