もう一組
ブクマ! 感想! 待ってます…!
50ポイント超えたのはものすごく嬉しいです!!!
ここまで寄り道なので、次話から本編に戻りますね
三谷 瑠衣は廊下を急ぎ目に歩いていた。絆創膏を知らない人にあげて少し話していると、割と時間が経っている事に気がついて焦ってしまう。
「もうみんないるのかな……」
先生に指定された教室まで着くと、遅刻ギリギリだったがなんとか間に合うことが出来た。
一息ついてから部屋の扉を開ける……先生はいるが、他の班員の姿は見当たらない
「宇佐美先生、他のメンバーはまだ来てないんですか?」
「瑠衣が一番乗りだねぇ。も少し待ってて」
瑠衣の先生の名前は関野 宇佐美。変わった名前だが性格もなかなか変わっている。天然なのかアホなのか。どちらにしてもあまり頼りなさそうな印象しかなかった。
初めて集合した時に一番遅刻してきたのもこの先生だ。
集合の時間から10分位経って、部屋の扉が申し訳なさそうに開く音がする。
「あはは……遅れましたぁ」
息を切らしながら入ってきたのは小鳥遊小鳥。小鳥も天然なのか、先生と同じ空気を感じる。
「なにしてんだよ! もう……トロいなぁ……。」
「えへ、ごめんね……怪我人治してたら遅くなっちゃった」
「怪我人……?」
瑠衣は怪我人と聞くと、さっきの人を思い浮かべる。確かにあの人を放っておくのは心が痛むような気もする。あそこまで初日で怪我をするようなものだろうか?
宇佐美と小鳥は雑談を始め、瑠衣は暇を持て余し、やることも無く机に突っ伏している。どれ位突っ伏していたか分からなくなり本格的に眠くなってきた頃……最後の一人が扉を開ける音がする。
「遅れたか? すまない」
「いやいやいや遅すぎ! まだ出会ったばかり! 常識無いの!?」
「まぁまぁ瑠衣くん、来たんだからいいじゃない」
「そーだよ、そんなに気にすることじゃないよー」
瑠衣の意見は、理不尽にも全員に全否定されモヤモヤだけが残る。
「あーもー分かりましたよ……それで、全員集まったんだから今から擬似戦闘やるんですよね?」
「流石にそれはやらないとねぇ。今からトレーニングルームに行きますよー」
そう言って3人は部屋から連れ出され、何度歩いたか分からない長い廊下をまた歩きトレーニングルームと書かれた部屋に着く。
さっき瑠衣が男と出会って話をした部屋の前だった。この部屋の前で血まみれになっていた……。もしかしてこの部屋は恐ろしい部屋ではないか? そんな考えを瑠衣は巡らせていた。
「瑠衣〜? なんでボーッとしてるの? 早く入ろーよ」
小鳥に呼ばれていることに気がつき、みんなが入っていった部屋に遅れて入る。無機質で殺風景な部屋が目の前に広がっており、ただただ無駄に広い。
特に変わった様子はなく、あそこまで血まみれになる理由も分からなかった。
「じゃあ今から三人で戦ってもらいますねー。ルールは簡単、生き残ってた一人が優勝! ね? 簡単でしょ?」
宇佐美は大雑把な説明をするが、簡潔でわかりやすい。
三人は顔を見合わせて真剣な顔になる。兵士になった以上、戦いには負けたくないという思いは人一倍強い。天然そうな小鳥でさえ真剣な目つきをしている。
「じゃあ皆、広がってね。これに勝った人はスピード出世間違いなしかもね〜」
「これは僕が勝つから。もう二人ともリタイアしたっていいんだよ?」
「何言ってんの瑠衣、私が勝つに決まってるでしょ」
「俺が負けるわけないだろう……」
三人とも出世より実績が欲しい、目の前の誰にも負けたくないという思いだけで闘志が漲るのであった……
男性は戦闘系、女性は情報系の能力を得る事が多い。
しかし、必ずしもその限りではない。