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魔法司書さん的童話考察  作者: セルバ
10/11

ヘンゼルとグレーテル III


「まぁヘンゼルとグレーテルの余談は置いといて、本題の怖い話をしようか」


いや、ヘンゼルとグレーテルでもちょっと怖かったんですけど。

チキンな俺の本能と、女子の前で情けない態度をとりたくない俺とが、なんだかせめぎあっている。


結果、見栄っ張りな俺が勝ってしまった。



「ふーん…暇つぶしにはなるだろうし、なんか話してみてよ」



やっとのことで言った声は震えてなかっただろうか。



「そうこなくっちゃね。私が今から話すのは、この学校であった本当の事件のこと…」





そんな昔でもないちょっと昔のことなんだけどね、この学校に一人の生徒がいたんだって。


大人しくて成績もそこそこいい子だったんだけど、友達がいなかった。


当たり障りのない子だったからね。


問題児でもなく、本当に普通の子。




そんな普通な子に限って残酷な事件が起きた。




高校一年生の愉快犯。


話題性欲しさに殺人事件を起こした。


狙われたのはその子。


居残りの校舎で、



ハラを、人差し。



翌朝惨殺されたその生徒が見つかったけど、


誰も、一筋の涙も流さなかった。





「そして、その血痕は今でもどこかに残っているのでした。めでたしめでたし!」


「めでたくねぇよ」


「その子は 友達が最期までできなかったのが心残りで、今でもトモダチを探しているんだって。血痕を見つけるとその子に会えるんだって」


「友達になってやったら?」


「ううん。私じゃ絶対無理かな」


目暮はふるふると首を振った。

俺としては、“で、オチは?”ってかんじなのだが。



「そうだ、血痕を探してみようよ」


「ヤダ」


「ほら、そう言わずに。私は向こうを探してくるからー!見つけたら教えてね」


そう言うなり目暮は走り出してしまった。




そうして、俺は一人取り残された。

ありがとうございました。

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