平和な世界は続かない
前回のお話で平和な世界が良いと望んだシオン
しかし・・・平和過ぎるゆえの悩みに・・・
彼はどう答える?
第二話
「平和な世界」
頭の中に響く声・・・いつでも見ていると言ったあの声だ
シオン「仕方ないじゃないか、つい昨日まで一般人だったんだぞ、それもニートのダメ人間だ!
それがいきなり勇者様で急に魔物退治なんてできるわけがない!」
「じゃあ、諦めるのかい?見捨てるのかい?助けたかったんじゃないのかい?」
シオン「助けたかったけど・・・無理だって・・・魔物も人も皆、仲が良い世界ならよかったのに」
「ふむ・・・じゃあちょっとそういう世界を見てみようか?」
突然何を言い出すんだ?と思ったが急に周りがまぶしくなり目を閉じた
「いつまで目を瞑ってるんだ、さぁ目を開けてごらん」
言われたとおりに目を開けた、俺は驚いた・・・!
さっきまでそこで襲ってた魔物と襲われてた女性が仲良くしているではないか
シオン「これ・・・俺がさっき言ってた・・・」
「そうだよ、君が望んだ世界さ」
魔物と仲良くしているとても平和な光景、勇者なんていらない世界
そこへ、変わった格好の男がやってきた・・・
魔物「あ、魔王様、こんにちわ」
女性「あら、魔王さん、今日はどんな御用で?」
魔王と呼ばれたその男は魔族の王だったのだ、いきなりラスボス!?
これまずいんじゃないの?と内心ヒヤヒヤしたけど・・・
すぐに平気であると悟った、だってここの世界は皆仲良く暮らしてる世界だと
言われているから、きっと魔王も良い人なんだ・・・良い人なのに魔王ってちょっと変だけど
まぁ、魔族な王で魔王なんだろう、きっと、そういう事にしとこう、考えるだけ無駄だ
魔王「こんにちわ、君は・・・君が勇者くんかね?」
どうしよう・・・魔王に挨拶されちゃった・・・それもかなりフレンドリーに
一応前の世界の設定とか引き継いでるところもあるみたいだな、勇者とか
どう答えるべきかな、まぁ、この世界平和だし大丈夫だろう
シオン「はいそうです、この前なったばかりの新人勇者です」
魔王「そうか・・・君が・・・ところで君はこの世界で何をするつもりだい?
返答次第では容赦しないよ・・・?」
女性「あらやだ~魔王様ったら勇者っぽい事言っちゃって~」
平和過ぎて気が滅入る・・・言葉を選んで答える事にする
シオン「特に決まってません、しいて言えば平和を乱すものがいれば倒す位ですが
この世界にそんなものはいそうにないので冒険してから帰ろうかと」
ある程度旅して飽きたら帰ろう・・・こんな世界はきっと退屈だろう
家でごろごろしていたい、そんな気分にさせてくれる空気だ
魔王「そうかそうか、なんならうちに遊びに来ないかい?
歓迎するよ?新人勇者就任祝いとかしちゃっても良いね」
この世界は平和だ、景色が違うだけで日常と何も変わらない・・・
すぐ帰ろう・・・そうしよう、帰ってゲームでもやろう
シオン「いえ・・・結構です、やりたい事があるので帰ります」
そそくさとその場を離れる俺、平和が良いとは言ったが平和過ぎて
何もする事が無い、この世界で生きて行くのには仕事とかしなきゃいけなさそうな
そんな雰囲気ですらある、きっと魔物退治して素材集めたり、お金集めたりなど
絶対にできなさそうな感じだ、やったほうが犯罪っぽいイメージ
「どうだね?君が望んだ平和な世界は・・・?とても退屈そうだね」
都合の良い時に話しかけてくるやつだな・・・すぐに帰りたいと訴えよう
この世界は自分には向いてない、そう言おう
シオン「この世界から帰りたいです、自分にはこっちの世界も無理です・・・」
次回から元に戻ります、ちょっと寄り道をしてみました