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「女の子なんだから、ねぇ……。なるほどなるほど、そういう事か」

 りつの姿が完全に見えなくなってから、盛朝はどこか意地の悪い笑みを浮かべて言った。その表情に、惟幸は居心地の悪そうな顔をする。

「な、何だよ盛朝。何でそんなにニヤニヤして……」

「惟幸。お前……実は今まで、ずっと明藤をりつに憑けてただろ」

「な……!」

 盛朝の発言に、惟幸は絶句した。顔を赤くしたり青くしたりしながら、口をパクパクと開閉させている。

「なんで……」

 やっと絞り出した言葉にも、盛朝のにやけ顔を収める力は無い。

「明藤が、話すのは初めてとか言ったから気付いたんだ。なるほどなぁ……どんな憑け方をしたのかは知らねぇが、明藤が陰から誘導してやれば、京のどこを歩いているかもわからない俺達のところへりつを来させる事も、他の奴らが俺達を見付ける事ができないようにする事もできるよな。それこそ、旦那様が惟幸を探す占いを邪魔する事だって」

「そ、そんな事して、一体何になるってのさ……」

 惟幸は警戒する姿勢を取るが、盛朝はそれを意に介しない。

「りつは俺達……いや、惟幸を見付ける事ができる。けど、他の奴らにはできない。……となれば、俺達へ毎日飯を届けるのは必然的にりつの仕事、って事になる。……そうだろ?」

「……そうだね」

 惟幸は、素直に頷いた。

「お邸に戻ったら、毎日りつが飯を届けに来てくれるって幸せが無くなっちまう。……違うか?」

「……違わない」

 観念したように、惟幸は頷いた。そこで、盛朝は首を傾げる。

「わかんねぇな。たしかに届けに来てもらう事は無くなるけど、お邸に戻れば毎日、好きな時にりつに会えるじゃねぇか。りつはお邸で働く、下女なんだからよ」

「けど……邸に戻れば……」

「……何?」

 顔を曇らせた惟幸に、盛朝は何やら、剣呑なものを感じた。

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