喪女とメイドの出会い
毎度お馴染みの括弧の役割
「」……人が話している
『』……トゥーリが話してる
〈〉……トゥっちょがおもちゃを使って話している
[]……メール画面
皆様、ごきげんよう
T・T様ことお嬢様のメイドのサリンと申します
お嬢様には、神秘的で綺麗だとか魅力的だと言われていますが、私にとってはお嬢様の方が魅力的だと思います
お嬢様は屋敷の方を始め、会社の社員、あるいは取引先の方、親族の方にも多方面で愛されておられます
お嬢様はそれだけ、いいえそれ以上に色々と協力やネットワークを与えているのですから当然でございますけど…
私もお嬢様に助けられましたし
そして、様々な方の中で私が一番お嬢様を愛しているつもりです
そんなお嬢様なのですが、素晴らしい手捌きで手打ちそばを作っております!
私が作ると言ったのですがお嬢様は自分で作りたいと……
その姿が本当にお美しい!
そして、本当に多才な方なのだと思います
私と出会ったあの日々もそうでした……
あの頃の私はまだお嬢様と出会う前でまともにメイドとしての仕事が出来なく、社長ことお義父様やお嬢様のお義姉様にお叱りを受けていました
もう、私は必要のない人間なのか家族もいないし死んでしまおうか
それぐらい苦しかったのです
そんな中でお嬢様がやって来たのです
お嬢様は最初はお屋敷の事が分からずうろうろするばかりでした
因みにこの頃からお嬢様は私にとって魅力的でしたよ
そんな時、役に立たない私にお声をかけて下さったのです
「私、今日この屋敷に来たばかりなの。良かったらこの屋敷の案内をお願いしたいのですが…」
この一言から私の人生が変わった
それから私はお嬢様に屋敷の案内をしました
お風呂がある場所、厨房、お手洗いなど…
そして、この時私は新たなメイドの方つまり同僚だと思っていました
「ありがとうございます。助かりました」
「とんでもないですよ、私なんかが…」
「いいえ、あなたはこの屋敷での最初の友達です!」
「友達ですか……?」
「えぇ!友達です」
「友達…いいですよ!よろしくお願いします」
「こちらこそよろしくお願いします!」
と仲良くなったのですが、すぐに…
「サリン!庭の掃除をしなさい!」
と使いの中でもベテランの方から呼ばれた
「は、はいっ!それではまた」
「えぇ、またね」
その日のうちにお嬢様を見ることはありませんでした
次の日
私は今日も今日とてミスを犯してしまいました
お屋敷の洗濯機が動かないのです
あぁ…また怒られてしまいます…
「どうしましたか?」
「ご、ごめんなさい!…って」
昨日の方ですわね…
「あー、こんなにもお洋服入れたら洗濯機回らないですよ。回数を分けて量を決めてから回した方がいいですよ」
「そうなんですか?」
「えぇ、そうなんですよ」
随分物知りな方です…
しかし、メイド服は着ないのでしょうか?
「あの、どうかされましたか?」
「失礼ながらあなたはメイドの方なのにどうしてメイド服を着ないのですか?」
と今思うと馬鹿げた質問をしてしまいました
「あー、まだ服が出来てないの。もしよろしければ貴方の服を借りてもよろしいでしょうか?」
「私なんかのでよろしければ…!」
「ありがとうございます!」
と昨日の方はにこっと笑ってお礼をおっしゃいました
私の部屋に入って服を着替えた
「うん、服はちょうどいいみたいです。あとは…」
と昨日の方はうろうろと私の部屋を見る
「この眼鏡、お借りしてもよろしいかしら?」
「勿論ですよ!」
「ありがとうございます」
その時昨日の方は何かぼそぼそと言っていたけどよく聞こえませんでした
「仕事、良く分からないので共に行動してもよろしいでしょうか?」
「本当ですか!よろしくお願いします!」
それから私と昨日の方は共に仕事をし私は、自分のミスを気付く事ができ、昨日の方は仕事は何があるのか分りました
たまに別々になってしまうが私はずっとこのままの生活が続けばいいと思ってました
屋敷の雰囲気が少しおかしくなってる事に気付かず
ある日の事
そう言えば、私は、ずっとお供してる方の名前を知らないと思いました
今日、聞いてみようと…
「サリン!聞きたいことがあるけれど…」
と使いの上司、まぁメイド長に声を掛けられた
「はい、何でしょうか?」
「ここ数週間最近、旦那様に引き取られた里子がいるのだけれど見なかった?」
「え?どのような子ですか?」
「この子よ!」と写真を見せられた
いつも仕事を共にしている方です
「知ってますよ…多分、こちらにいます」
とメイド長に案内をしました
トントン
「はい?」
「私です」
「あぁ、いつもの。どうぞ」
ガチャ
「お嬢様!?何故、そのような格好を!?」
とメイド長は叫ぶ
「屋敷を知るにはこの格好が一番だと思いまして…ところであなたは誰ですか?」
「メイド長のマッシュと申します」
「マッシュさん、あなた新しく来たメイドさんに一通り機械や掃除の仕方を一緒に行動しないのですか?この方は、ずっとやり方を知らなくてミスをして怒られていたのですよ?私はそんなのを見たくないです」
「も、申し訳ありません…お嬢様にこのようなご手間を掛けさせてしまい…」
「まぁ、気にしないで。さてと、お義父様がさぞお怒りですわね…。潔く叱られにいきますか…」
「あ、あの…」
と私はおじょうさまと呼ばれたいつもの方に声を掛けた
「私のせいで申し訳ありません…」
「別にいいのよ、気にしないで。あなたといて楽しかったです。では…」
とお嬢様が去ろうとした時…
「そうだ。あなたの名前は?」
「サリンと申します!」
「サリン、よろしくお願いしますね」
「はいっ!お嬢様」
この後、お嬢様は旦那様に散々怒られたと私に愚痴を零して下さいました
そして、現在…
「サリン、年越しそば出来たわ!一緒に食べましょう!」
「勿論、喜んで!」
とお嬢様お手製の年越しそばを頂く事になりました
それは、よろしいのですが…
最近、お嬢様はこのねずみみたいなドラゴンを飼うようになりました
このねずみもお嬢様によって救われてるのですから感謝しなさいよ
そして、どうやらこのねずみもお嬢様お手製の年越しそばを頂くらしいわ
そんなねずみに一言
お嬢様を傷付けるような事をしたら、お嬢様や天の神様は許しても私が許しません
覚悟しなさい
「サリン、そばは美味しいかしら?」
「はいっ!とってもおいしゅうございます!」
「よかった」
とお嬢様に貼目映いほどの笑顔を向ける
「有難う。来年もよろしくお願いしますね」
お嬢様の笑顔を頂きました!
このサリン一生の幸せです!
こうして、2人と1匹で年越しそばを食べて過ごした
いかがでしょうか?
今回はT・Tちゃんの使いもといメイドのサリンさんのお話です
普段からそんなに出てなかったのであんまりキャラが分からないなーってなって今回の主役にしました!
感想などお待ちしております…|ω・`)
では( ̄^ ̄)ゞ