ろぉく
「.......ココ?」
私たちの目の前にはいろんな意味で高い
マンション。.......私の家です。
「ちょっと待ってね」
セキュリティー万全で指紋認証やら
鍵はカードだったり受付嬢がいたり....
お兄ちゃんはシスコンだったりするから...
「桜崎様ですね。伝言を預かっております」
........また?どうせお兄ちゃんでしょ。
この受付嬢はお兄ちゃんの彼女なんだ。
「うん、ありがとう。」
渡された紙を見るとやっぱりお兄ちゃん。
どうやら明日くるらしい。
「珍しいなぁ.....」
お兄ちゃんはいつも来るとき何もいわずに
勝手に入ってる。
「李雨、何階?」
エレベーターに乗った夏輝が聞いた。
「50階。耳がポーンてするよ」
最上階なんだよねぇ...
「えっと...あ、あった」
カードキーをだしてスライドすると、
ロックが開いた。
扉を開けて玄関に入ると、
「りーうーっ!!おかえりっ」
「え!?っきゃ!!」
なんかが飛びついてきた。
「李雨っ遅いじゃんか!!心配したんだぞ!」
お兄ちゃん........?
「李雨....?大丈夫?」
夏輝が支えてくれたから転ばずにすんだ。
てゆーかなんでお兄ちゃんいるの!?
明日じゃないの??
「李雨、コイツ誰だ?」
.......しまった。
お兄ちゃんいるのに夏輝いる...
「お、お兄ちゃんっ勝手に入っちゃ駄目
って言ってるでしょ!!」
「え、李雨、この人お兄さん?」
夏輝は困惑してるようで、
ちょっと焦ってる。
「俺、藤沢夏輝です。
おつき合いさせてもらってます」
ぺこりと夏輝が頭を下げると
お兄ちゃんの眉間に皺がよった。
「李雨っいつの間に男なんか作ってぇ..」
シクシクと体操座りでいじけ始めた。
「はぁ...お兄ちゃん仕事は?」
今の時間はまだ仕事場にいる時間のはず...
まさかまたサボってきたの?
「.......林田に押しつけてきた」
...また?可哀想に.....
林田さんはお兄ちゃんの秘書の人。
お兄ちゃんが仕事をサボると代役になる。
「もう、林田さん可哀想でしょ!!
自分の仕事くらいやりなさいっ」
「だってだってぇ!!李雨に会いたくてっ!
そういえば早瀬はどうした?」
早瀬蓮。私の専属執事。
「蓮には学校までこないでって言ってあるの!!
ずっと見られてたら動きにくいでしょ」
最初は引いてくれなかったけど.....
毎日言ってたら諦めてくれた。
「えっと....李雨?」
っとそうだった夏輝いるんだった....
「ごめんね、とりあえずリビング行ってて?」
早くお兄ちゃん追い返さないと.....
呼ぶのが1番手っ取り早いよね.........
林田さんを。
「もしもし、林田さん?李雨です。
お兄ちゃんがいるんですけど......
迎えにきてくれませんか?」
林田さんに電話をすると、
すぐ行きます!!って返事が返ってきた。
「おにーちゃん。林田さん来るって。」
にっこり笑って言うと何故か
顔が赤くなってる。風邪かなぁ?
「....李雨、相変わらず可愛いな」
ぎゅーって抱き締められて窒息しそう...
「お兄さんでもさすがに駄目です」
上から夏輝の声が聞こえた瞬間、
酸素が入ってきた。
「ふぅー...苦しかったぁ」
ピーンポーン....
「あ、林田さんかも」
玄関を開けるとやっぱり林田さん。
......と蓮。
「社長!!仕事の途中で逃げないで下さい!!
私の身にもなって下さいよ!!」
ズルズルとお兄ちゃんを引っ張って
林田さんは去っていった.......
「李雨様、ご帰宅されたなら連絡を下さいと
言いましたよね?」
残ったのは蓮。
「蓮、普通でいーよ」
蓮の話し方はこんなんじゃない。
私の呼び方も。
「......リィは忘れ症なのか?」
本当はこっち。
お兄ちゃんと昔から友達だったから。
「違うもん。お兄ちゃんがいたから...
まぁ帰ってるからいいでしょ?
今日はお客さんいるの。帰って??」
いつもは私が寝てから帰るけど
夏輝がいればそうはいかないでしょ?
「わかった。でも客が帰ったら連絡しろよ」
連絡っていっても同じ階に住んでるのに...
最上階には2部屋あって私の部屋と蓮の部屋。
..........近いでしょ。