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にーぃっ




ーなんやかんやで一ヶ月経ったこの日


今日は別れるかどうかが決まる日。



「えっと....これかな」



この日は毎年この時間にあの場所でって

付き合い始めの頃にきめてある。



「寒.....」



暦上は秋だけどもう寒いこの季節。

黒のセーターに黒と赤のチェックのミニスカ

寒いからタイツを履く。


コートを羽織ってマフラー、手袋をする。

バッグを持って外に出ると寒い。



「この寒い中歩いてさらに待つのかー...」



溜息を吐きながらも歩いて約束の場所を

目指してく。



「.....まだいないのはわかってたけど」



場所についても人が歩いてるだけで

棗の姿はない。



.....約束の時間を過ぎても現れない。


20分...30分...と時間だけが進んでいくばかり。



「風邪ひいたらどうすんの....」



マフラーに顔を埋める。



約束の時間から一時間過ぎた。

雨も降ってきた。



「冷たい....」



時間が過ぎていくなか、

大人は好奇の目であたしをみて、

優しい子供は傘を貸してくれようとした。



「冷たいよ.....なつめ...」



雨の中、傘より彼の温もりが欲しかった。

『ごめん、遅れた』って言ってわらって

欲しかった。


二時間待っても来なかった。



最後はあたしを選んで欲しかった。



「サヨナラ、棗...」



棗宛てのメールにサヨナラ、とだけ送った。



「好きだったよーー....」



久しぶりに棗を想って涙を流した。



ーーーーーーーーーー.....


ーーーーーー.....


ーーー....



「.....千晴は頑張ったわよ」


「うん」


「広輝には悪いけどあいつは最低だった」


「...うん」



次の日見事に風邪をひいたあたしは香苗と

電話で話してる。



「ごめん千晴、もう授業始まるから...」


「ん、ありがと。ばいばい」



やる事がなくなり、眠気が襲ってきて

そのまま眠った.....



ーーーーーーーーー.....



「バカじゃねぇの、お前」


「....わかってるよ、俺が一番」



いつかはくるんじゃないかと思ってた。

千晴からの別れの言葉。



「自業自得だ」


「わかってる....」



想像以上にキツかった。

千晴は遊びの女とは違ったから。

俺が好きになった女だったから...



「千晴ちゃんはお前より辛かったんだ」


「あぁ.....」


「泣いてなくても顔は泣きそうだって

香苗が泣きながら言ってた」


「....っ...あぁ」



千晴を泣かしたのは俺。



「今日休みなのも昨日待ってたんじゃねぇの?

土砂降りだったのに、お前を。

二年目の記念日だったんだろ?」



千晴が寒い中俺を待ってたのに、

俺はなにしてた?


遊びの女と家でヤってた....



「.......白崎、あたしはあんたなんか大嫌い」



千晴の友達で広輝の彼女、水城。



「俺今のを千晴に言われたら

立ち直れねぇわ....」



この日何度も千晴にメールや電話を

したけど返信はないし電話にもでなかった。




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