いーちっ
「棗くーんっ一緒に帰ろぉ?」
「あぁ、待っててな」
「ずるーい!!あたしもぉー!!」
「あたしも!!」
「みんなで帰ろう?」
「「「うんっ」」」
放課後の教室で女の子に囲まれてるのは
この学校のアイドル的存在の白崎棗Natume
.......で。あたし、桜庭千晴Tiseの彼氏。
「ちょっと千晴!!白崎またよ!?」
棗の浮気現場に見えるアレに彼女のあたし
よりキレてる親友、水城香苗Kanae
「見えないとこでやれっての」
棗が告白してきて付き合い始めたあたし達。
あたしも好きだったし、OKした。
「そういう問題じゃないわよ!!」
付き合って一年と少し。
これがあたし達の現状。
最初の頃は泣いてやめてって言ってたけど
今はもうその涙もでない。
「あ、新しいアイス屋さんできたんだ!!
行こうよ香苗」
「.....千晴.......わかった、行こ」
棗の横を通り過ぎて教室をでた。
ーーーーーーーーーー....
ーーーーーー.....
ーーー....
「んーっ美味しかったねぇ!!」
「うん、...あ、広輝が迎えに来るって」
三輪広輝Kouki香苗の彼氏。
優しくって一途なのになぜか棗の親友。
「じゃ、あたし帰る。また明日ねーっ」
家路の途中にある公園。
ここで棗に告白された。
キィー....
「なつめ......」
名前を呟いてみても虚しくなるだけ。
近くてとても遠い彼。
「...あれ、千晴?」
「ん?あ、リュウ」
篠原龍哉Tatuyaタツだけどリュウって
読めるからそうよんでる。
「なにやってんだよ、こんなとこで」
「べっつにー...もう帰るし」
気の合う男友達ってとこかな。
「...なぁ、白崎みてて辛くねぇの?」
「んーまぁ慣れた?」
慣れたくなんかなかったけど。
「っ....辛いくせに」
「!!」
「お前、泣かねぇし....」
「....」
「お前をみてるこっちが辛くなるっ...」
「......」
「あんな奴やめろよ...」
なんであたしの為にリュウが苦しんでるの?
「なんで....?」
「お前がっ....千晴が好きだ..っ...」
そっか、それならやっぱり棗の事
どうにかしないと。
「....ごめん」
「ははっ...いいよ、わかってたし」
「でも!!棗と別れたら、その時まだあたしを
好きだったらまた言って?
そしたら真剣に考えるから」
後一ヶ月であたしと棗の記念日。
その日、棗が約束の場所に来たらこのまま
続ける。
でも、来なかったり来ても女物の香水の
香りがしたら次の日かその場で別れる。
去年は遅れるわ女の香水匂うわキスマーク
付いてるわで最悪だった。
「たぶん後一ヶ月くらいで別れるから」
「....は?」
「じゃぁね」
「は?!おい、ちょっ....」