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彼女がいなくなった、あの日

(しゅう)くん!お待たせ〜!ごめんね?まった?」

「秋くん、私のこと好き?私はね、伝えられないくらい好き、愛してる。秋くんはどう?」

「ねぇ、秋くん。さっきの女、誰?秋くんあの子のこと好きなの?私がいるのに?秋くんかっこいいんだから女の子に話しかけちゃダメだよ、すぐ惚れられちゃうんだから。秋くんと話せる女子は私だけでいいの」


(……香奈(かな)


『死んでも、ずっと一緒にいようね。死ぬまでも、死んでからも……もちろん死ぬ時も一緒だよ?」























そう言って笑っていた僕の彼女が、死んだ。


「……あぁ、きてくれてたのね、秋斗くん……」

「おばさん……えっと、この度は……」

「いいの。気にしないで。……秋斗くんだって、同じでしょう?」

「……まぁ」


訪れた彼女……椎野香奈(しいのかな)の葬式。

涙を流しながら懸命に笑顔を作って話しかけてきてくれたのは、彼女の母親だ。

香奈と付き合って、ちょうど今年で4年。

中学2年の時に告白して付き合うことになった僕は、もう何度も香奈の家を訪れた。

ちなみに僕が一人で外に出ることを好まなかった彼女は、一人暮らしである僕の家に来ることも少なくなかった。


「……秋斗くん……その、香奈の線香は、無理にあげにこなくていいからね?」

「……どうしてですか?」

「……ほんとは知ってたのよ。秋斗くんが、あの子にたくさん縛られてたの。そしてそれに秋斗くんが苦しめられていたことも」

「……そう……でしたか」

「ごめんなさい、あの子を止めてあげられなくて……もう……いいのよ……あの子……香奈のことを忘れてくれても」


母親として、自分の娘を忘れろだなんていうのはきっと辛いことだろう。

それでもこの人は懸命に僕に笑いかけてくる。


「……いえ、忘れません。確かに僕は香奈に縛られていたかもしれない。でも僕はそれでも香奈のことが好きだった……いや、好きなんです。それに、」



一息吸って、吐いて、そして答える。





















「もう香奈はいなくなったんですから、僕はもう誰にも縛られず、自由に生きます」
























ここまで読んでくださってありがとうございます。

この小説は息抜きに書いているものなので、更新は不定期……それもほとんど更新することがない予定です。

今書いているシリーズが終われば、定期更新に変更しようとは思っていますが、しばらくないと思います。

もし早く更新してほしい、という声があれば更新頻度も上がっていくと思いますので、この小説が気に入ってくださったのなら気軽にお声がけいただければと思います。

それではまた次回。

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