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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
テーマパークを作ろう!編
99/106

異世界バスツアー99「そういう目で見よう!」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 いろいろとトラブル続きだった魔王城観光地化プロジェクト。

 この度、おっきい……❤トラブルが屹立するというセンシティブアクシデントが発生してしまう。

 スタッフの尽力によりセンシティブは回避できたが、新生魔王城建設予定地に生えた巨大な世界樹をどうするか、会議で話し合いが行われた。

 様々な提案の中から、世界樹の中にアトラクションを入れる案が採用されて、プロジェクトが再び始動するのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 旧魔王城よりもふっとい幹の世界樹をくりぬいて、中に屋内型ジェットコースターのマオウマウンテンとボウリング場を設置する工事が開始。

 引き続き雇用しているゴーレムマスターと死霊術士の皆さんによる、ゴーレムとスケルトンの人海戦術で世界樹にとりかかった。

 順調に工事は進み、世界樹内部に大きな空洞が形作られる。

 そんな工事現場に、怪しい人影が現れた。

 緑のローブに、長い杖。フードを深くかぶって表情は見えない。

 世界樹を崇める団体、聖樹教会の3人であった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「……変な奴?」


 世界樹の近くにある臨時本部で工事の進捗について報告を受けていた魔王(子供)は、ついでのように妙な人物が現場にいるという話を聞いた。

 曰く、緑のローブを着た3人組で、世界樹に開いた穴を見たひとりが「ンゴォー!」と叫んで倒れたという。

 なんだそりゃ、と呟いた魔王はとりあえず現場に行ってみるのであった。


 現場では、倒れている緑のひとりとその側でうろたえている緑のふたり。

 そして黒い羽に黒い髪の設計担当が、3人を興味深そうに観察している。

 歩いて近づいた魔王は、緑色したその姿を見て先日の記憶がよみがえった。


「……こいつらこないだの不法侵入者じゃねーか」

「おや、遅かったねえ」


 魔王の到着にクランツは黒い翼をパタパタさせている。


「我は結構忙しいんだ。それでこいつらは?」

「先日の聖樹教会の人たちだねえ。なんか穴を見て気絶したらしいけど」


 ふたりが緑をながめていると、地面に寝ていた緑が「うう……」と声を出した。

 側にいたふたりが寝ているひとりの体をゆっくりと起こす。


「ミロワ司祭!」

「ミロワ司祭、大丈夫ですか!」


 ふたりに支えられて上半身を起こしたミロワ司祭と呼ばれた緑は、まばたきを何度かした後ゆっくりと視線を魔王とクランツに向ける。


「……き、貴様らか、聖なる世界樹にあの、あの、あ、あ、あ、あ、穴を開けたのは」

「今もどんどん掘っているよお」


 楽しそうなクランツの声に、ミロワ司祭はガタガタと震えだした。


「おおお……穴をどんどん……やめよ! 破廉恥な!」


 魔王の表情に「?」が浮かんでいる。

 クランツの黒髪の下の細い目が怪しく光った。


「掘っている穴の向こうはぽっかりと開いた空洞です」

「くくく空ドゥー!!」


 ミロワ司祭は変な語尾で叫んだあと、四肢を硬直させて痙攣しはじめた。

 そばで支えているふたりは急変に慌てている。


「ミロワ司祭!」

「ミロワ司祭、大丈夫ですか!」


 その様子をみていたクランツが、クスクス笑いながら口を開く。


「空洞には遊び道具をいっぱい入れます」

「遊び道グゥー! 世界樹が遊ばれちゃゥー!!」


 ミロワ司祭は個性的な語尾で叫んだあと、弓なりにのけぞった。

 そばで支えていたふたりは、微妙な表情をしながら距離を置き始めている。

 クランツの口の端がゆっくりと持ち上がっていった。


「そしてたくさんの人を入れて遊びます」

「ンゴォー!!」


 ミロワ司祭は泡を吹いて失神した。

 その様子を青ざめた顔で見ていたふたりは、汚いものに触れるかのようにミロワ司祭の足首を片方ずつ掴む。


「おぼえてろよ!」


 そう言ってふたりはミロワ司祭を引きずりながら去っていくのであった。

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