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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
テーマパークを作ろう!編
97/106

異世界バスツアー97「訪問はお断りしよう!」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 いろいろあって魔王城跡地に世界樹が生えた。

 そのたくましい姿は、見た人の脳裏にある言葉を想起させたが、良識と常識がその口を閉ざしていた。

 しかし、自分の思い出の地に直立するセンシティブの姿を見た魔王はうっかり名称を口に出してしまう。

 それをなだめていた設計担当は、少し遠くでおろおろしていたドラゴンに、あの世界樹は君の子供じゃないか、と突飛なことを言った。

 それを素直に受け取ったドラゴンは、我が子(?)を救うためにぶん殴って魔力詰まりを解消。

 世界樹は本来の姿を取り戻すのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 空を覆うように広がる枝に、空を遮るように茂る緑の葉。

 かつての魔王城よりも大きい幹は、大地にしっかりと根を下ろしている。

 魔王城観光地化プロジェクトメンバーの前にそびえるのは、世界を覆わんとする大木――世界樹。

 周辺にいるものが皆、その威容を見上げている。

 その巨大な幹の前の空中に、突然現れた人影。

 緑のローブを着て長い杖を持つ3人。

 周辺にいるものたちの頭に、直接声が響いてくる。


《去れ……ここに近寄るな。世界樹は我々が管理する》


 3人の背後に(ゲート)が開き、そこから様々な怪物があふれ出すのであった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「転移……? それと門……? 何だあいつら」


 魔王は目を細めて遠くを見ながら観察している。

 設計担当のクランツは、黒い翼を畳んで何かを考えながら口を開いた。


「あー……世界樹にいる怪物はどこも一緒なのはなんでだろうって思ってたけど。ああいうのがいたんだねえ」

「お前も知らんのか」

「んー、いや、世界樹を崇めてる連中がいる、みたいな話は聞いたことがあるけどねえ」


 クランツは黒髪をぽりぽりとかいている。

 魔王は目線をクランツから世界樹の方に向けた。


「それにしても、いきなり人ん家に土足で踏み込むとは躾がなってないな」

「どうするの?」

「礼儀をちょっと教えてやろう」


 魔王の背後に門が開いて、黒い穴からグリフォンが現れる。

 グリフォンの背に乗った魔王は、よーし、いけーとか言って飛びだした。


「よくわからない相手にいきなり仕掛けるのはよくないんだけどなあ……」


 ふう、と息を吐いたクランツも黒い翼を羽ばたかせて魔王を追いかける。

 クランツの前方、グリフォンに乗った魔王は、一直線に緑の3人へと突き進んだ。


「まずはあいさつをしろー!」


 そんなことを叫ぶ魔王の前方に門が開き、巨大な蛇が飛び出してきた。


「刀滑!」


 言葉と共に指を指された蛇は、輪切りになって地上に落ちていった。

 魔王の周辺に門が複数開いて、大きな鷲の怪物が現れる。


「焦熱!」


 魔王の言葉で周辺に炎が渦巻く。

 黒い塊となった鷲はそのまま落ちていく。

 魔王は空中に浮いている緑の3人に手を向けた。


「星の盾、日輪の矛! 空のすべてを束ねた槍よ! 我が手に宿り全てを貫け!」


 魔王の手に光の槍が収束して、前方に向けて発射される。

 進むごとに巨大化していく槍は、3人の前で粉々に砕け散った。


「ほう、こいつを防ぐか」

《何者か……》


 魔王の頭に声が響く。


「何者だあ? ここの地権者だ! お前らこそなんだ!」

《……我らは聖樹教会。世界樹は我らのもの……あっ》

「?」


 何か様子のおかしい緑の3人。

 魔王が後ろを振り向くと、クランツとエルダードラゴンがこっちに向かって飛んでくるところだった。

 ドラゴンはなんか手を振っている。


《またあいつだ》

《どうする?》

《世界樹丸裸にされてすごい怒られたのに》

《また怒られるの?》

《あきらめるな。力で駄目なら頭で勝負だ》

《頭突き?》

《それはお前がやれ》

《なんで!》


 何か仲間割れを始める緑の3人。

 喧々諤々の議論の後。


《覚えてろよ!》


 と言って消える緑の3人。

 魔王は呆然と世界樹を見つめ続けるのであった。

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