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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
テーマパークを作ろう!編
94/106

異世界バスツアー94「コンペしよう!」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 地下にある魔力の元、魔素を採取するために穴を掘ったが岩盤に阻まれる魔王城観光地化プロジェクト。

 岩盤突破のためにエルダードラゴン氏に協力を要請したら、うんこで岩盤を貫いたので別の問題が発生した。

 別の問題(悪臭)をどうするか会議の末に、取り出して肥料にして一儲けしようみたいな話になった。

 そんな感じで現場に行ってみたら、責任を感じたドラゴンが一生懸命に穴に向かって炎を吐いていて、とりあえず問題は解決するのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 うんこは炭化したので臭いはしなくなった。

 障害はなくなったので、魔素の湧き出る穴の上に設計担当の製作した魔素を魔力に変換する設備の設置作業に入るのであった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

 新生魔王城地下室予定地。

 はるか地下から魔素が湧き出てくる穴の周囲に、プロジェクトリーダーの魔王と魔王城設計担当のクランツがいて、いろいろと運び込まれてくる資材を眺めている。

 魔王は隣にいる黒い羽の生えた変な人を見上げた。


「それで、魔素を魔力に変換するってどうやるんだ?」

「んー? 魔素を魔力に変換するのは基本的に生きているものだけだろ?」


 設計担当のクランツは、魔王を見下ろしながら得意げに話し出す。


「動物は個体差が大きくてねえ、使いづらい。しかも動いたりするから使いづらい。その点、植物だと変換効率はいまいちだけど、とにかく安定しているから便利❤」


 クランツは、運ばれてきた鉢植えの小さな木を持ち上げる。


「この木は葉っぱに魔力をため込む性質があってね。探すのに苦労したよ」


 その小さな木を見ていた魔王が口を開いた。


「それは、確かにすごいが……地下室でも育つのか? それ」


 クランツの動きが止まった。得意げな笑顔のまま固まっている。

 魔王の質問に対する返答が、ぎこちない笑顔のまま発せられた。


「えっ?」

「いや、えっ、じゃなくて。えっ? ここ地下室になるんだよな?」

「えっ?」

「いや、えっ、じゃなくて。おい設計担当」


 設計担当の羽の生えた人は、持っていた鉢を静かに地面に下ろした。

 そして何か考え込む。


「地下室の天井に穴を開けて光を」

「……この上に魔王城を建てるんじゃないのか」

「あっ」

「いや、あっ、じゃなくて。おい設計担当ぉー!」


 魔王のツッコミが冴え渡るのであった。



✩。:•.¸.;".✩•次の日•✩.";.¸.•˚。✩

 新生魔王城地下室予定地。

 はるか地下から魔素が湧き出てくる穴の周囲に、プロジェクトリーダーの魔王と正座しているクランツがいて、いろいろと運び込まれてくる資材を眺めている。

 魔王は隣にいる黒い羽の生えた変な人を見下ろした。


「……それで?」

「うん、やっぱり変換効率を考えて動物にしようと思う!」

「……ほうほう」

「ということで、魔力を卵の形で産んでくれる巨大女王アリの登場です!」


 濃厚な魔素にあてられて暴れだした女王アリ。

 魔王は「アリだ―!」と一応叫んでくれたのであった。



✩。:•.¸.;".✩•次の日•✩.";.¸.•˚。✩

 新生魔王城地下室予定地。

 はるか地下から魔素が湧き出てくる穴の周囲に、プロジェクトリーダーの魔王と磔にされているクランツがいて、いろいろと運び込まれてくる資材を眺めている。

 魔王は隣で固定されている黒い羽の生えた変な人を見上げた。


「どうするのホントにマジで」

「やっぱり動かないのが安全だと思う!」

「……まあ、それはそうね」

「ということで、菌類にしました! 菌糸ネットワークと魔法陣を接続して直接魔力を取り出します!」

「おお……」

「胞子吸い込むとキノコになるけど」


 魔王は考え込んだ。


「……まあ、立ち入り禁止にすればいいか! 採用!」

「よっしゃあ!」


 とりあえず、見切り発車してしまうのであった。

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