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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
テーマパークを作ろう!編
93/106

異世界バスツアー93「消臭パワー!」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 地殻を貫いて大噴火を起こす掘削手段を改良するため、遠くに行ったエルダードラゴン。

 一日ごとに近づいていた噴火が、ある日を境にぱったりとやんだ。

 やったか?……と思っていた幹部連中の前に、精悍な顔つきになってしまったエルダードラゴン氏が帰ってくる。

 その成長を信じて、魔王城跡地の魔力生成プラント設置予定地の掘削に送り出されたドラゴン。

 魔王と設計担当を残して、他は避難した魔王城跡地で修業の成果を見せるドラゴン。

 逃げた設計担当を非難する魔王が見守る中、魔力のこもったでかいうんこが発射されるのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 とりあえず、工事の障害になっていた強固な岩盤を貫通することができた。

 その代償として、穴のそこかしこにうんこがついて、底にはでっかいうんこが鎮座して個性的な臭いを放っている。

 このまま工事を進めれば、上に建設される新生魔王城及びマオウマウンテン、ボウリング場に独特なフレグランスが漂う可能性がある。

 そうなってしまっては、そういう特殊な趣味のごく一部のお客様しか来なくなる恐れがあった。

 何とかするために対策会議が開かれるのであった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「一部の人向けでよくない?」

「ふざけんな! 我の魔王城の思い出を臭くはさせんぞ!」


 魔王はキレていた。

 設計担当のクランツは、黒い羽をパタパタあおぎながら魔王を見ている。


「と言ってもさあ、途中のはまあともかくとして、底のはどうするの。思ったより深いよあの穴」

「むうう……」


 クランツの言葉に反論できない魔王は頭をかきながら唸っている。

 そこへ新経営陣が手をあげて「お客様にガスマスクを配るのはどうです」とか言った。

 魔王がじろりと新経営陣の方を見る。


「あのさあ、根本の原因を放置してその場しのぎの対処とか一番ダメだろ! そんなんだからすぐに倒産して」


 魔王の指摘は新経営陣の経営方針に飛び火した。

 そこへ旧経営陣が手をあげて「もっと臭いのをぶち込めばなんとかなる」とか言っている。

 魔王がぎろりと旧経営陣の方を見た。


「意味がわからん! そんなんだから捕まって刑務所に」


 魔王の指摘は旧経営陣の人生に飛び火している。

 そこへ魔王のご両親が手をあげて「肥料にしたら?」と言った。


「ひ、肥料? いや、うん、いけるか? しかし、うーん」


 ご両親の言葉に考え込んでいた魔王はクランツの方を見上げた。


「ドラゴンの糞を肥料に、って聞いたことあるか?」

「聞いたことはあるねえ。超希少なんで高値で取引されてるらしいよ」


 クランツの黒い前髪に隠れた目が怪しく光りだした。

 魔王は腕を組んで考えている。


「……肥料にするなら取り出す方法を考えないとな」

「そうだ、浮遊魔法の術式を杭かなんかに組み込んで、底に打ち込んでみたら?」

「うーん、杭の周辺ごと浮くようにすれば……いけそう、か?」


 クランツの提案に、実現可能性ありとみた魔王は手順を考えた。


「よし、杭を何本か確保して、さっそくやってみよう」

「いいね。あとこれは噂だけど、ドラゴンの肥料は世界樹を育てるのに必要って話がね」

「……話半分に聞いとく」


 会議を終了した幹部のみなさんは、魔王城跡地に向かった。

 跡地にいたのはエルダードラゴン。

 責任を感じていたドラゴンは、一生懸命穴に向かって炎を吐いていた。

 幹部連中に気づいたドラゴンは、腕を伸ばして親指を立てた。


「ドラちゃん、頑張って臭いが消えるまで炎を吐いたって」

「……炭化した糞から肥料って作れるのか」

「……それはたぶん、普通の肥料になるんじゃないかなあ」


 とりあえず、解決はするのであった。

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