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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
テーマパークを作ろう!編
92/106

異世界バスツアー92「発射しよう!」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 地下深くにあるという魔力の元を手に入れるため、長い穴を掘ることになった魔王城観光地化プロジェクト。

 魔王城の地下に魔力生成プラントを置く予定になったので、そこから縦穴を掘ってみた。

 経営陣たちの世界から持ってきた機械は、岩盤に阻まれてしまう。

 困っていたみんなの前に、救世主が現れる。

 エルダードラゴン氏は、地殻を貫通させて休火山を噴火させた実績を引っ提げて掘削役に立候補するが、リスクマネジメントの観点からいい顔をされなかった。

 とりあえず遠くで練習して、と助言したら噴火が段々近づいてくるのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 プロジェクトにかかわる人員の避難訓練を始めたころ、空に向かって屹立する噴煙が見えなくなった。

 プロジェクトの一時中止を検討を始めたころ、地震が起こらなくなった。

 一部の人たちが「……まさか」と思う中、エルダードラゴン氏が帰って来た。

 試練を乗り越えたものの持つ自信が精悍な顔として表れている。

 これは……もしかしていけるのでは……? そんな期待を抱かせる雰囲気だった。

 さっそく、掘削作業を開始するのであった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

 もしもに備えて幹部以外の人員は遠くに避難させている、現在基礎工事中の魔王城跡。その中心付近をさらに地面より下に掘り下げている魔力生成プラント設置予定地。

 岩盤まで縦穴を開けていた機械は撤去され、今はその成果である穴が残るのみとなっている。

 エルダードラゴンは、その穴を見下ろす位置で腕を組み、堂々とした姿勢で泰然としていた。

 非常事態対応担当の魔王とクランツはその様子を見ている。


「雰囲気は大丈夫そうだがなあ」

「ドラちゃんはやるときはやる! 見なよあの顔、キリっとしてるじゃん!」


 隣りにいる羽の生えた変な人をちらりと見上げた魔王は、何かを諦めたような表情をした。


「ダメだった時のための術式は組んである。しばらくは閉じ込められるだろうが、我とお前らなら死ぬことは無いだろう」

「薄情だなあ、俺はドラちゃんを信じているよ!」


 それを聞いた魔王はふうと息を吐いた。表情から力が抜けて張り詰めたような雰囲気が消えていく。


「さて、お手並み拝見かな」

「がんばれー! ドラちゃーん!」


 クランツの声に、ドラゴンは口の端を少し持ち上げた。

 組んでいた両腕をだらりと垂らし、ぐるりとその場で回転して尻を縦穴の方向に向ける。


「……?」

「……?」


 ふたりが意表をつかれて固まっていると、ドラゴンが何か力みだした。

 最悪の想像がふたりの脳内に展開される。


「……おい」

「ドラちゃーん! 何してるのー!」


 クランツの言葉に、ドラゴンは力みながら片手をふたりにむけて親指を立てた。


「上の口は何度やっても駄目だったけど、下の口に魔力をこめたらうまくいったって!」

「……どうする? どうすればいい? というか口に上も下もないわ!」


 予想外の事態に焦りだした魔王をよそに、ドラゴンの顔がなんだか赤くなって全身が細かく震えだす。


「こ、これはさすがに避難するべきか……おまえはどう思う……?」


 魔王は横の設計担当を見た。

 そこにいるはずの相手は、いつの間に空の向こうを目指して遠ざかっている。


「薄情者ー! 信じてるとかどの口が言ってんだー!」


 魔王の指摘に空を飛んでいる変な人は、上のくちーと答えている。


「やかましいわ!」


 魔王の叫びと同時にドラゴン砲が発射された。

 炎に比べてマイルドなそれは、強固な岩盤を貫いたが地殻の向こうにまでは届かなかった。

 穿たれた穴からは大量の魔素とフレグランスが放出される。


「クッッッッッサ!!!」


 魔王は悶絶してしまうのであった。

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