異世界バスツアー91「岩盤を貫こう!」
✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩
アトラクションがひとつと新生魔王城の外観の大まかな方針が決定した。
しかしそれを実現させるには大量の魔力が必要だという。
そして魔力のもとである魔素は地下深くに存在している。
それを聞いた旧経営陣は、ボーリングの道具を用意してくる! と言って、長い板とピンを10本と大きい玉を持ってくるのであった。
✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩
ボウリングを気に入ったクランツが、アトラクションのひとつとして採用してしまった。
それはおいといて、旧経営陣は改めて向こうから小型の掘削機を軽トラに乗せて魔界に持ってきた。
どこを掘るか協議の結果、新生魔王城の地下に魔素変換ユニットを設置するのがいいだろうということになり、ならばそこから掘るのがベストという結論になった。
さっそく縦穴を掘ってみるが、100mほどで強固な岩盤に当たってストップしてしまう。
どうもこの岩盤の向こうに魔素があるらしいが、現状の設備では歯が立たず、大きい機械は付属の設備や燃料の確保など問題があり、ここで進行がストップしてしまう。
どうしたものかと皆が頭を抱える中、自分の出番だなと臨時本部(ボロ小屋)の窓を叩いたものがいた。
伝説の巨竜、エルダードラゴン氏である。
✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩
「ドラちゃんが、深い穴は任せろって言ってるけど」
「そういえば温泉掘ってたな。しかし今回は硬い岩盤が相手だぞ、大丈夫なのか?」
クランツと魔王は、長年の友人であるエルダードラゴンの特技についてやや疑問を抱いていた。
ドラゴンは窓の外で、片目をつぶって右腕をこちらに向けて親指を立てている。
「岩盤なんて、自分からしたら土砂崩れの前の棲み家に等しいって言ってるけどどういうこと?」
「本当にどういうことなんだ?」
クランツと魔王は、長年の友人であるエルダードラゴンが遠くに行ってしまったような感覚をおぼえた。
新経営陣がそういえば、と前置きして、以前ご自宅に励ましに行ったら土砂崩れに流されてました、と証言した。
「……大変だったんだねえ」
「そういえば、救出チームを作ったような覚えがあるな。というか、励ましってなんだ」
魔王の質問に、新経営陣は以前に休火山を噴火させて落ち込んでいたので、と答えた。
「休火山を噴火……?」
新経営陣が答えて曰く、火口湖を温泉にするために炎を限界まで収束させて放ってみたら、火口湖も山体も大地も貫いて地殻の向こうまで届いて噴火したっぽい、という。
「まさかとは思うが……それをやるつもりか……?」
ドラゴンは無邪気な顔で頷いている。
「ここら辺も、噴火するんじゃないか……?」
ドラゴンは無邪気な顔のまま固まっていた。
珍しく戸惑い顔のクランツがフォローに入る。
「ま、まあ、試しに練習してみたらいいんじゃない? 力の加減とか」
「……遠くでな」
ドラゴンの顔が明るくなるのだった。
✩。:•.¸.;".✩次の日✩.";.¸.•˚。✩
遠くの方で、灰色の噴煙が上がっているのが見えた。
みんな、やっちゃったな、と思った。
✩。:•.¸.;".✩次の日✩.";.¸.•˚。✩
遠くの方で、灰色の噴煙が上がっているのが見えた。
昨日よりも少し大きく見える。
みんな、練習が上手くいくことを祈った。
✩。:•.¸.;".✩次の日✩.";.¸.•˚。✩
びりびりと空気が振動した。
結構はっきりと灰色の噴煙が見える。
みんな、練習が早く上手くいくことを祈った。
✩。:•.¸.;".✩次の日✩.";.¸.•˚。✩
地面が揺れて空気が震えている。
まあまあな大音響が臨時本部(ボロ小屋)を揺らしていた。
天に上る灰色の噴煙が見える。
「お前はメリーさんか!」
魔王は突っこむのであった。




