異世界バスツアー88「いろいろと参考にしてみよう!」
✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩
翼の生えた変な人プロデュース、新生魔王城をどうするか会議。
遊戯をテーマにした会議は、紛糾につぐ紛糾で、最終的に魔王が土でできたお土産を食べて嘔吐するのであった。
✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩
翼の生えた変な人ことクランツの、遊戯に対する理解不足で迷走している魔王城観光地化プロジェクト。
新経営陣、エルダードラゴンによるレクチャーをもってしても、その分厚い壁を打ち破るには至らなかった。
そんな状況を打破すべく、ついに真打登場。魔王のご両親による意見表明である。
「デ〇ズニーランド作ったら?」
臨時本部(ボロ小屋)内に重苦しい沈黙がおりるのであった。
✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩
「それは、まあ、うん。こいつらの会社が損害賠償請求されても我には関係ないし……まあ、ありといえば……いややっぱ無しか」
幼児の姿をした魔王は大変に歯切れの悪いコメントをしていた。
「デ〇ズニーランドって?」
黒い羽をパタパタさせているクランツは、純粋な気持ちで不発弾に触れている。
魔王はなんか嫌そうな顔で、クランツに向けて口を開いた。
「向こうの、遊戯をテーマにした大規模施設、だな」
「へええ、面白そーじゃん。教えて教えて」
クランツの黒い前髪の下に隠れた瞳が怪しく光っている。
何か言いたげにしているが口を曲げて黙っている魔王。
特に空気を読むことのない新経営陣が「映像でよければいろいろありますよ」と地雷原に踏み込んだ。
「見る見るー!」
いろいろと、見るのであった。
✩。:•.¸.;".✩次の日✩.";.¸.•˚。✩
「魔王城くりぬいてス〇ース・マウンテン作ろうぜ!」
クランツはいきなりぶっこんできた。
楽しそうに拍手をしているご両親、うんうんと頷いている新経営陣。
苦虫を噛みそうになっている魔王は、クランツをじろりと見た。
「とりあえず名前は変えてくれ」
「それもそうだなぁ、同じものを作っても芸がないしな! ということでまず名前を変えよう。マオウマウンテンだ」
「それでいいよもう」
今そこにある危機を回避した魔王はどこかなげやりな安心をしている。
クランツは近くにある箱から、小さい船のようなものを取り出して机の上に置いた。
「どんな風な道にするか、これを動かして決めようと思うけど、どう?」
「いいんじゃないか?」
「じゃあ動かして」
「なんで」
「いや、俺魔法苦手だし。浮遊魔法とかでさあ」
魔王はため息をひとつつくと、机の上の小舟に手をかざす。
小舟の周囲に小さな魔法陣がいくつも現れると、小舟が宙に浮いた。
「それで、どうするんだ?」
「ス〇ース・マウンテンみたいに動かせる?」
「マオウマウンテンな。こんな感じか?」
机の表面にもいくつかの魔法陣が展開する。
小舟は空中を登ったり降りたり、曲がったりして元の位置に戻ってきた。
「そうそうそう、上手じゃん」
「いやこれ結構大変だぞ。小さいからまだいいが、これ以上大きいのは軌道の計算が我ひとりでは無理かもしれん」
「ええー」
「ス〇ース・マウンテンくらいになると、魔術師20人くらいは欲しいな」
「マオウマウンテンじゃないの」
「ああそうだよ、間違えたよ!」
とりあえず、募集するのであった。
✩。:•.¸.;".✩次の日✩.";.¸.•˚。✩
「試作機かんせーい!」
魔王城建設予定地から少し離れたところに、いつものメンバーが集まっていた。
4人くらい乗れる石製の船のそばで、クランツが拍手している。
魔王と魔術師のみなさんはどこかげっそりしていた。
「思ったよりずっと面倒くさい……! これあと10人追加だな」
「それじゃあ試運転お願い!」
「まあ、やってみるか」
魔王が地面にある魔法陣に魔力をこめると、石船がふわりと浮き上がり、空を目指して上昇を始めた。
みんなが見つめる中、石船は加速しながら滑るように落下したり、一回転したり、曲がったりしていく。
みんなが見つめる中、どんどん加速する石船はいきなり破裂音が鳴ったかと思うと破片になってバラバラと落ちてきた。
「術式ミスってたな。まあ誰も乗ってなくてよかった」
「いいじゃん! これでいこうよ!」
「いきません」
とりあえず修正、するのであった。
✩。:•.¸.;".✩次の日✩.";.¸.•˚。✩
修正が完了したので、試乗する人を探してたら、旧経営陣が脱獄してきたので乗せてみた。
とりあえず入院、するのであった。




