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異世界バスツアー8「魔法学園世界」

■これまでのあらすじ

 旧経営陣が刑務所から飛ばした生霊により心霊スポットと化した先代ツアー会社は、霊能力者や退魔士の皆さんの努力で無事封印された。

 あと倒産した。


■これからのあらすじ

 避難していた新経営陣は改めて集結し、新たな希望、新生ツアー会社を立ち上げた。

 今度こそお客様に未知の体験を! という志のもと、王道のツアー企画を検討していたら、タイムマシンでやって来た未来の旧経営陣(刑期満了済)に会社を乗っ取られてしまう。

 そして始まるウルトラ企画。



「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 ぽつぽつと空席のあるバス車内の前方で、笑顔のバスガイドがマイクに向かって喋っている。


「これより当バスは、魔法学園世界に参ります」


 乗客たちから、おおーという声が上がった。


「皆様に魔法学園で体験していただく内容は、今からお配りする旅のしおりに記載しておりますのでご確認ください」


 バスガイドが笑顔で乗客たちに旅のしおりを配っていく。

 乗客たちが期待に胸を膨らませて旅のしおりを見ると、表紙に“他言無用! 裏口入学テクニック!”と書いてあった。

 常連の乗客が「なんか悪い予感がするのう」と呟いている。


「皆様には魔法学園の入学試験を受けていただきますが、なにぶん難関ですのでまともに受験したのでは合格は不可能」


 ざわつき始める乗客たち。


「そこで今回のツアーでは、魔法学園に潜入している魔王の手先様のご協力で、皆様に裏口入学をしていただきます」


 バスガイドの言葉に、乗客たちの間に動揺が広がっていく。


「もし不正がバレた場合は世界の敵として処刑されますので、皆様くれぐれもご注意をおねが」


 乗客たちの強硬な抗議でツアー中止。

 未来からやってきた旧経営陣が運営していた新生ツアー会社は、タイムパトロールに摘発されて歴史から消滅した。

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