表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
異世界にバスで旅行しよう!編
73/106

異世界バスツアー73「凍てついた世界」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 慎重にやって結果が出なかったので、今度は攻めの姿勢を重視することにした新経営陣。

 とにかく意欲的で挑戦的な癒しの世界、というリクエストで旧経営陣に捜索を依頼。

 まかせておけ、と胸を叩いた旧経営陣は精力的に探し回った末にボロボロになって帰って来た。


「こいつは……キクぜ……!」


 というコメントを残して入院した旧経営陣。

 なんかすごそうという理由でその世界で癒しツアーしようとしたら、すごい理由が乗客にバレて中止になるのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 慎重にしてもダメ、考え無しでやってもダメだった新経営陣は第三の道を模索することにした。

 そこそこ、である。

 そこそこに慎重、そこそこに考え無しでプランを練る新経営陣。

 そこへパーフェクト考え無しの旧経営陣が退院してきた。

 話を聞いた旧経営陣は「そこそこか、まかせておけ」と太鼓判を叩いて壊してこの世界を飛び出していく。

 そして帰って来た。

 そこそこの世界を見つけてきたぞ、と君が言うから今日はそこそこ記念日。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、ほぼ満席の乗客に向けてマイクで喋っている。

 乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。


「これより当バスは凍てついた世界に参ります」


 バスガイドの言葉に、乗客たちは「おお……」とどこか畏怖を感じているような声を出している。

 早くもダウンを着こんでたくさん汗をかいている乗客が「どのくらい寒いんですか」と顔を赤くして尋ねた。


「はい、詳細なデータはありませんが、全てのものが凍り付く世界です」


 ダウンを着こんでダウン寸前の乗客は「うわあ、寒いの苦手なんですよね」と言いながらホッカイロを袋から出した。

 常連の乗客が「なんで来たんじゃろ……?」と小声で呟いている。

 青い髪をして薄手のセーター一枚の乗客は「そこってぇ、何か名物あるのぉ?」と楽しそうに尋ねた。


「はい、当地は凍結した大きな湖なのですが、様々な人々が凍っている姿を見ることができます」


 青い髪をした乗客は「うわ、ヤバそう」と笑いながら飴を口に放り込んだ。

 常連の乗客が「なんかすんごい悪い予感がするのう」と呟いている。

 冷たい目をした乗客が「もしかして、ですが……そこには裏切り者がいますか」と無表情で質問した。


「はい、特に罪の重いものはルチフェルにかみ砕かれています」


 バスの車内の雰囲気が少し冷たくなった。

 常連の乗客が「はいはい、地獄地獄。客を生きたまま地獄の最下層(コキュートス)送りとか何を考えとるんじゃ」と言いながらクレーム電話。

 無表情の乗客は「何か客に恨みでも?」と物騒な質問をしている。


「いえ、とんでもありません。今回のテーマが『そこそこ』でしたので、地獄の底の底に決定しただけで」


 クレーム中の常連の乗客は「だからさあ! ダジャレで地獄行きとかシャレになってないんじゃよ!」と絶好調。

 ツアーは適切なクレームと適正な抗議で適当に中止になるのであった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ