異世界バスツアー53「アサイーボウル」
✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩
全裸で現世に帰還して収監された新旧経営陣。
比較的すぐ外に出た新経営陣と、脱獄中だったので刑務所に招待された旧経営陣。
道はふたつに分かれたが、志は同じと信じて明日へと進む。
そういう感じでトレンディな旅行を企画しようと、インフォシークとヤフーで検索したら最新ファッションという単語を見つけて頭に電球が光るのだった。
✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩
そんなファッションで大丈夫か?
一番いいファッションを頼む。
というノリで一番いいファッションと見せかけて一番有名なパッションを観光旅行に組み込んだら、タイムパトロールにタイムパラドックスが起きるからやめなさいとガチ怒られが発生。
安易なダジャレに頼ったことを深く反省した新経営陣は、今度は真面目に考えることを誓った。
そこで今度はエキサイトで検索をしてみたが、いまいちピンとこない。
その画面を見ていた魔王のご両親が、アサイーボウル流行ってますよねー、と言ったので、それにするのだった。
✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩
「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」
笑顔のバスガイドが、ほぼ満席の乗客に向けてマイクで喋っている。
乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。
「これより当バスはアサイーボウル食べ放題に参ります」
バスガイドの言葉に、乗客たちは「ええ……」とあまり乗り気ではない反応を返した。
2列目の乗客が戸惑いながら「あの、食べ放題ってホームページには無かったですよね」と質問をした。
「はい、急遽大量のアサイー(?)が入手できる目処が立ちましたので、食べ放題に変更いたしました」
2列目の乗客は「は、はあ……」と理解が追いつかない様子を見せる。
常連の乗客が「(?)ってなんじゃ……?」と呟いた。
冷たい目をした最前列の乗客が「その、大量のアサイーはどこ産ですか」と冷静に聞いている。
「はい、これから向かう異世界に、こちらの世界のアサイーと味がほぼ同じで、大きさが2メートルくらいの実が落下してくる場所がありまして」
「はい中止」
常連の乗客による流れるような通報とクレームは、バスの進行を押しとどめたあと出発地点まで押し流した。
一方その頃、事前調査でアサイー(?)をたらふく食べた旧経営陣は、これ結構イケるね、というコメントを残したが、3日くらいしたら体中から枝が生えてきたので除草剤をストレートで一気するのであった。




