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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
異世界にバスで旅行しよう!編
48/106

異世界バスツアー48「ダンジョン世界」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 強制若返りツアーでお客様を精子と卵子にするところだった新会社と新経営陣。

 さすがに深く反省した新経営陣は、お客様の安全を重視した上で手堅くウケる企画を考えようと頭をひねる。

 そこで魔王のご両親になんか手堅いの無いッスか、と聞いたら、農業とかどうですかと言われたので農業系の企画を考えて実行してみるのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 手堅く考えたスローライフ農業ツアーは、安全ではあったがスローすぎて評判は最低レベルであった。

 スピードが遅い方が安全なのではないか、そういう考えでスローなライフ世界をチョイスしたが、物事には限度があるということを失念していた新経営陣。

 やはり早い遅いではなく、中くらいがちょうどいいということにようやく気付いた新経営陣。

 ということで、安全かつ流行りの手堅い企画を考えることになったが、なかなかいいアイデアが浮かばない。

 会議室にブラウン管テレビを持ち込んでゲームしている魔王のご両親に意見を聞いてみた。

 最近はダンジョンものが流行ってるみたいですよ! と、ささやき、いのり、えいしょう、ねんじろ、とハモリながらレベル5の忍者をうしなったご両親は答えるのであった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、ほぼ満席の乗客に向けてマイクで喋っている。

 乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。


「これより当バスはダンジョン世界に参ります」


 乗客たちは「おおー」と少し興奮したような声を出した。

 最前列の乗客は「どんなダンジョンなのですか」と地味で堅実な質問をしている。


「はい、これから向かうダンジョンは、モンスターを倒すことでアイテムや物資が手に入るダンジョンです」


 バスガイドの言葉を聞いた最前列の乗客は「なるほど、ダンジョンが資源となっている世界なのか」と一人納得していた。

 がっしりとした体格をした2列目の乗客が「自分、モンスターと戦いたいのですが」と勇ましいことを言っている。


「申し訳ありません。お客様の安全確保のため、バスの外に出るのはご遠慮ください」


 2列目の乗客は、大きな肩を縮めながら「残念です……」としょんぼりした。

 常連の乗客は「ずっとバスの中? ダンジョンの何を見るんじゃろか……」と呟いている。


「それでは皆様、ダンジョンの中に突入します! シートベルトをしっかりと締めてください!」


 バスガイドの言葉に、乗客たちは「ん?」となりつつもシートベルトを締めてその時を待つ。

 期待と不安を乗せたバスは、トンネルに入り闇に包まれた。

 止まらず走り続けて暗闇を抜けたバスに、ダンジョンの壁が迫る。


「皆様、ダンジョン地下一階に到着しました!」


 バスはタイヤを軋ませながら右に曲がる。乗客は遠心力で左に傾く。

 曲がり角に接触、バス内部に衝撃が走って乗客の顔が軋んだ。

 バスの上部はダンジョンの天井をこすっている。


「皆様、ご覧ください! ゴブリンです!」


 バスの前方に、こちらを見てびっくりしている小鬼の集団がいた。

 デコボコで状態のよくない床の上をガタガタ振動しながら、止まることなく走り続けるバス。


 バスの攻撃! ゴブリンたちに1256ダメージ!

 ゴブリンたちを倒した!

 バスはレベルが上がった!


「皆様、レベルが上がりました!」


 口を開けると舌を噛みそうなので、せめて表情で「何言ってんだコイツ」を表現している乗客たち。


「皆様! これより地下二階に参ります!」


 乗客たちが前方を見ると、壁に穿たれた入り口の向こうに暗い暗い下り階段。

 全力で首を振り手を振る乗客たち。

 無慈悲に突っこんでいくバス。

 ガタガタドッタン大騒ぎ。


 下り階段の攻撃! バスに14ダメージ!

 下り階段の攻撃! 乗客に12ダメージ!

 下り階段の攻撃! バスに15ダメージ!

 下り階段の攻撃! 乗客に11ダメージ!

 ・

 ・

 ・

 ・


「地下二階に到着いたしました。ここで少し休憩を取ります」


 青息吐息の乗客たちは最後の力を振り絞って抗議。

 ツアーは中止になり、バスは元の世界を目指して旅立つことになった。


 上り階段の攻撃! バスに17ダメージ!

 上り階段の攻撃! 乗客に15ダメージ!

 上り階段の攻撃! バスに19ダメージ!

 上り階段の攻撃! 乗客に13ダメージ!

 ・

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 ・


 乗客が被害届を提出したので、新経営陣は任意で同行させられるのであった。

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