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バスツアー会社の異世界破綻記  作者:
異世界にバスで旅行しよう!編
47/106

異世界バスツアー47「スローライフ農家世界」

✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩

 悪役令嬢の婚約破棄シーンをばっちりのタイミングで観光するため、婚約破棄というセリフを言うだけで何十年とかかる樹木知性生命体のところに行ったら長すぎて中止。

 逆に見どころのシーンが短いと、タイミングを合わせるのが難しい。

 婚約破棄をぴったりのタイミングで見学することへの困難に対し、新経営陣は有効な手段を思いつけず煩悶していた。

 そこで魔王のご両親が適当に言った、逆に考えよう、を真面目に受け取って逆に考えた企画を実行したら重大インシデントを起こすのであった。


✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩

 時間が逆に進む世界に観光旅行に行ったら、乗員乗客が若返りだしたツアー旅行。

 放置していたら受精卵にまで戻り、大変な事になっていたが、その前になんとか帰還に成功した。

 さすがに深く反省した新経営陣。

 次は安全性にも気を使った上で、手堅くウケる企画を考えようと決心する。

 そこで魔王のご両親に、何か手堅いものはありますかと聞いたら、農業とかどうですと言われるのであった。



✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、ほぼ満席の乗客に向けてマイクで喋っている。

 乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。


「これより当バスは、スローライフ農家の世界に参ります」


 バスガイドの言葉に、乗客たちは「おおー」と楽しそうな声を上げる。

 最前列の乗客が上気した顔で「そこではどんな作物を育てているのですか」という質問をした。


「はい、ウンブラ・コルミスやシルフィス・ココルビなどが主に生産されています」


 最前列の乗客は予想外の一撃を受けて「は、はあ」と力のない声を出している。

 2列目の乗客が「あの、それはどんな作物なのですか?」とまっとうな質問をした。


「はい、資料によりますと、ウンブラ・コルミスは主にソルフィスに使われる作物で、ネブラしたりグラウルするのも人気のようです」


 2列目の乗客はやっぱり予想外の一撃を受けて「はあ?」と素直な声を出している。

 常連の乗客が「ここはちょっと待ていとか言っとくべきじゃろか……」と呟いていた。


「それでは皆様、スローライフ農家世界です!」


 乗客たちが首をかしげたりつっこむべきか迷う中、バスはトンネルに入っていった。

 そしてトンネルを抜けたバスを待ち受けていたのは一面の緑。


「みーーーーーーーーーーーーなーーーーーーーーーーーさーーーーーーーーーーまーーーーーーーーー、スーーーーーーーーーーローーーーーーーーーーーーラーーーーーーーーーーイーーーーーーーーーーーフ」


 そしてすごいゆっくりなバスガイド。

 しまったそういうことか! と気づいた常連の乗客だったが、抗議の電話をかけるためのスマホを取り出そうとしたら、その動作もすごいゆっくりになってて後の祭り。

 バスガイドはひどく緩慢なしぐさでマイクに話しかける。


「ゆーーーーーーーーーっーーーーーーーーーくーーーーーーーりーーーーーーーーーしーーーーーーーーてーーーーーーーーいーーーーーーーーーっーーーーーーーーてーーーーーーーー」

「やーーーーーーーーーかーーーーーーーーまーーーーーーーーしーーーーーーーいーーーーーーーー」


 乗客たちのゆっくり抗議でツアー中止。

 会社には長音記号だらけのスロークレームが殺到したという。

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