異世界バスツアー29「自動人形その2」
✩*: . ✩これまでのあらすじ✩. :*✩
いつものように上層部が空白となった新会社。
しかし、旧経営陣はリスクマネジメントの観点から、不測の事態に備えていた。
旧経営陣の思考を学習し、いたずら心でメリーさんの思考も学習させて完成した自動人形を自分たちの代わりに残しておいたのだ。名前はオートマリー1号。
社長に就任した自動人形は、いつのまにか社員の背後にいたり、捨てても戻ってきたり、むやみに髪が伸びたりしたので社員全部に逃げられてしまう。
しょうがないので自動人形のワンオペが始まるのであった。
✩*: . ✩これからのあらすじ✩. :*✩
自動人形がバスガイド兼運転手で始まったツアーは、信号待ちの車にごっつんこしたことで終わりを告げた。
警察に捕まった自動人形は、免許持ってないし戸籍もないしそもそも人間じゃないということで警察から放り出されてしまう。代わりに旧経営陣の刑期が増えた。
いよいよもって存在意義があいまいとなった新会社。
しかし、旧経営陣はこれすらも予想して、こんなこともあろうかと備えをしておいたのだ。
緊急信号をキャッチして秘密基地で起動する自動人形。
地下にある秘密基地を突き破って大地に屹立するのは身長57メートル、体重550トンの鉄の塊。
新社長こと自動人形、オートマリー2号である。
✩。:•.¸.;".✩• 本編 •✩.";.¸.•˚。✩
「私、ツアー会社の従業員さん。今バスの後ろにいるの」
広い駐車場に停まっているバスから少し離れたところに立っているオートマリー1号。
バスの中で乗客たちは不安そうな顔で窓の外を眺めている。
常連の乗客が「なんか悪い予感がするのう」と呟いた。
「私、元ツアー会社の社長さん。現社長がすぐ後ろにいるの」
オートマリー1号の言葉と同時に、バスが手の形をした影に覆われる。
バスの天井に降りてきた現社長ことオートマリー2号の手は天井を覆い、指は窓を突き破って中に侵入。そのままバスの天井を握りつぶして引きちぎった。
突然オープンカーになったバスの中で、乗客たちは呆然としている。
コンパクトになった天井を持って立ち上がったオートマリー2号は、そのままずしんずしんと地響きをあげながら歩き出した。
「私、社長を移動手段にするのに失敗したバスガイドさん。社長が後ろを確認しないの」
普通に自衛隊が出動する騒ぎになったが、オートマリー2号は動じることなくひしゃげたバスの天井を守りながら太平洋の波の中へ消えていった。
とりあえず捜査したら、案の定、旧経営陣が関わっていることがバレたので刑期マシマシになるのだった。




