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異世界バスツアー11「ざまぁ世界」

■これまでとこれからのあらすじ

 前回ループに巻き込まれていたバスは、星辰の位置が変化したことにより脱出に成功。

 代わりに新会社を運営していた旧経営陣が、刑務所に入所と出所をループするようになってしまった。

 会社ぴんち。

 そこへ外宇宙の旧経営陣を認識したせいで入院していた新経営陣がようやく退院。

 何度目かの正直でツアー会社を引き継ぎ、こんどこそお客様のための企画を考えるのだ、と瞳孔が開きっぱなしの目でぶち上げるのだった。



■本編

「本日は当社のバスツアーにご参加いただき誠にありがとうございます」


 笑顔のバスガイドが、満席の乗客に向けてマイクで喋っている。

 乗客たちは楽しそうにおしゃべりしたり、窓の外を流れる風景を楽しんだりしていた。


「それでは、これより当バスはざまぁ異世界に参ります。今回の詳しい内容はお手元のパンフレットをご覧ください」


 乗客たちはバスに乗るときに配られたパンフレットに目を通す。

 1ページ目にはかわいいイラスト付きでざまぁの流れが書いてあった。


 仲間の裏切り

 ↓

 冤罪・追放

 ↓

 全てを失い転落

 ↓

 真の仲間を得る

 ↓

 真の力覚醒

 ↓

 ざまぁ


 笑顔のバスガイドが、パンフレットを持ちながらマイクに向けて声を出す。


「王道的なざまぁはこのような流れになりますが、今回のツアーは時間制限がありますので、このすべてをこなすのは困難です。それでは2ページ目をご覧ください」


 乗客たちは、ふんふんと頷きながら持っているパンフレットをめくる。

 常連の乗客が、なんか悪い予感がするのう、と呟いた。

 2ページ目はイラストが無く、でかいフォントの文字だけが力強く内容を主張している。


 仲間の裏切り

 ↓

 ざまぁ


 シンプル過ぎて棒みたいな流れに乗客があっけにとられてぽかんとしている。

 バスガイドが、2ページ目を乗客たちに示しながら説明を始めた。


「限られた時間の中で、ざまぁの醍醐味を最大限体験いただくために、要素を可能な限りそぎ落としました」


 乗客の一人が「えーと、これで仲間に裏切られるのは誰なんですか?」という質問をした。


「皆様です」


 バスガイドの答えに、バスの中がざわめきだす。

 さっきの乗客が「すみません、僕らが仲間に裏切られてざまぁということですか?」という質問をした。


「そうです」


 バスガイドのシンプル過ぎる答えに、乗客たちが噴火した。

 収拾がつかないまま、バスはトンネルを通ってざまぁ異世界に突入。

 いきなり現地の人たちに「ざまぁ」「ざまぁ」と連呼されたあと帰還。

 仲間の裏切りもカットされていたことが判明。

 単に罵倒されただけの乗客たちは逆上、そのまま会社に突撃した。


 乗客たちが会社に入ると、がらんとしてて誰もいない。

 どういうことだ? とあたりを見回す乗客たち。

 乗客の一人が物音に気付いて、その発生源である会議室に入る。

 中ではよくわからない祭壇が作られてて新経営陣がひたすら祈りを捧げていた。


 ドン引きの乗客たちはとりあえず通報。

 実は治ってなかった新経営陣は再び入院。

 資金の流れとか滅茶苦茶だったので会社はシンプルに倒産した。

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