美穂の日課②
美穂「えーっと、面白そうなトピックはあるかな?あー、あったあった。」
美穂は、『髪の老化に悩む38歳』というトピックを開いた。トピックの内容は、30代後半で白髪が一気に増え、年々強くなる髪の癖を縮毛矯正でおさえている相談者が、綺麗な髪を維持するためのアドバイスを求めるといった内容だ。
美穂「さて、さっそくアドバイスをしてあげますか♪」
美穂は、以下のコメントを掲示板に書き込んだ。
―私は43歳ですが、白髪は一本もありません。髪型は、腰よりも長いストレートロングですが、縮毛矯正なんて掛けたことなんてありませんよ。そんな私の美髪の秘訣を教えてあげますね。秘訣は・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・遺伝です( ´艸`)
さっそく、美穂のコメントにレスが付いた。
―投稿者さんは、真剣に相談しているのに、そんな自慢を投稿するのは良くないと思います。
すかさず美穂が応戦する。
―私は事実を述べただけですよ。美髪の一番の秘訣は、元々の髪質ですよね?私のコメントが自慢に聞こえるのは、あなたが髪にコンプレックスを持っているからでしょう?
そのコメントにまたレスが付いた。
―自慢うざい。
―言うだけなら誰でも出来る。本当に美髪なら証拠を見せて。IDと日付を紙に書いて髪の毛の写真を載せて見てよ!
―そんなこと出来っこないよ。どうせ嘘だから。本当は陰毛みたいなチリチリヘア(笑)
美穂「あーあ、本当のことを言っただけなのに。まあ、証拠を見せて黙らせてやりますか」
美穂は笑いを堪えながら、紙にIDと今日の日付を書き、それを持って、合わせ鏡で髪の写真を携帯で撮影した。写真に、髪以外のモノが写りこんでいないかチェックした後に、以下のコメントを添えて、投稿した。
―仕事帰りで本調子じゃないけど、白髪が無いことと髪の艶やサラサラ感は伝わるかな。ストパーや縮毛矯正等は一切してないよ。秘訣は遺伝だよ~。繰り返しになるけど、私は自慢しているのではなくて、事実を言っているだけだからね(笑)
その後、美穂の画像には、賞賛のコメントと批判のコメントが半分ずつくらい付いた。批判のコメントが、嫉妬ややっかみから来るものだと知っている為、美穂は全然気にならなかった。寧ろ、嫉妬されることに若干の心地よさを感じていた。
美穂「あー、面白かった。やっぱり、髪にコンプレックスを持っている人とのやり取りは面白いね。」
美穂は身バレを防ぐため、先ほど掲示板に載せた画像を削除した。こうして、美穂の1日が終わるのだった。