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動揺する美穂

 美穂は席に付き、PCを立ち上げるとすぐに、女子トイレに向かった。鏡で自分の髪の状態をチェックするためだ。


美穂「んーもぅ!白髪どこにあるのよ!早く、見つけて抜かないと・・・」


 プライドの高い美穂は、自分の髪に白髪があることが許せなかった。ましては、それを他人に見られるなんて耐えらないのだ。10分程、白髪探しをしたが、とうとう白髪を見つけることができなかった。美穂は諦めて、自分の髪を三つ編みにし始めた。三つ編みにして、髪を自分の前の方に寄せておけば、仮に白髪があっても、人の目触れることはないだろうと考えたのだ。そうこうしているうちに、艶々の三つ編みが完成した。そして、美穂は席に戻り、仕事を始めた。

(編み癖、縛り癖が付くのが嫌だけど、今日は我慢するしかない・・・)


博美「珍しいわね。美穂が三つ編みなんて。」


ランチの際に、博美からこう尋ねられた。


美穂「う、うん。まあね。気分転換だよ。どう似合う?」


そういいながら、美穂は艶々の三つ編みを博美に見せた。


博美「そうね。私としては、いつものロングストレートの方が好きだけど、三つ編みも似合うと思うよ。」


美穂「ありがとう。」

(私だって、ロングストレートの方が好きだよ!あんまり、私の髪を見ないでよ。)


 美穂は、今は自分の髪をあまり見られたくないと思っていた。そんな中、髪を話題にしてくる博美に対して、苛立ちを覚えていた。美穂は、お弁当を早めに食べ終えて、席に戻った。

(今日は、早く仕事を終えて、さっさと家に帰ろう。そして、白髪とウネウネの髪を抜いて、いつもの私の髪を取り戻そう・・・)


席に戻ると、美穂は仕事を黙々とこなして行った。時計にも目もくれず、休憩も取らずに。チャイムが鳴ると同時に、美穂はPCを閉じて、女子ロッカーに向かった。そして、女子ロッカーでコートを羽織り、帰路についた。


 家に着くやいなや、美穂は三つ編みを解いた。「バッ」と美穂の背中に、艶々のウェーブヘアが広がった。長さは腰近くまである。


美穂「あースッキリした。髪を縛るのって、嫌いなんだよね。やっぱり髪下ろしている方が落ち着くなー。」


美穂は、自分のウェーブのかかった髪を手に取った。それと同時に、今朝、博美に渡された抜け毛の感触を思い出していた。


美穂「うぇ、こんなに編み癖ついてる。洗ったら、コレ取れるよね?でも、自分で言うのもなんだけど、私の髪ってウェーブヘアでも艶があって綺麗ね。あの抜け毛がこの髪から出てきたなんて、とても信じられない・・・」


ひと息付いたところで、美穂は鏡の前に立ち、白髪を探し始めた。1時間ほどかけて、念入りに探したが、結局、白髪を発見することはできなかった。


美穂「ちょっと、恵美ちゃん、どこに白髪あるのよ!全然、見つからないじゃない!あーもぅ、明日、会社行きたくないな。どうしよう・・・」


美穂は、ベットに寝転がり、ケータイを手に取った。日課のヅィッターのチェックをする為に。いつもの通り、コメントを読んでいると、一通のDMが届いていることに気が付いた。美穂は、そのDMを開けた。


―アスカさん、今日は珍しく、三つ編みでしたね。どうかされたのですか?


美穂はビックリして、ベットから飛び起きた。この『やまぎわ』という人が、なぜ美穂が三つ編みにしていたことを知っているのか。美穂が、今日、三つ編みにしていたことを知っているのは、会社の人間しかいないからだ。美穂は、気が動転してしまい、『やまぎわ』に対して、以下のDMを返信した。


―なぜ、あなたが私が今日、三つ編みにしていたことを知っているの?私の知り合いの方ですか?


程なくして、『やまぎわ』からの返信が返ってきた。美穂は、恐る恐る、そのDMを開けた。



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