髪年齢診断①
美穂は、とあるビルの3Fに着ていた。レディースアデランズの無料髪診断を受ける為だ。この無料診断は、マイクロスコープを使い頭皮の状態をチェックし、採取した抜け毛から、髪の太さ、水分量、髪の断面、毛根の状態等を確認し、最終的に髪年齢と髪の状態を可視化して、最適な治療を処方する為の診断である。本来、髪の悩みがある人が受けるはずのこの診断をなぜ美穂が受けるのか。それは、美穂が『髪年齢』の測定をしたかったからである。美穂は、美容師から言われる髪年齢20代の確証が欲しかったのだ。昨夜、美穂はヅイッターで次のようにツイートをした。
―明日、レディースアデランズで、髪診断してくるよ。別に、禿げてないけどね(笑)。髪年齢が測定出来るみたいだから、それ目当てに行ってくる♪みんなアスカの髪年齢っていくつだと思う?
このツイートに対して、フォロワーからはこんなレスが付いた。
―当然、20代でしょう。実年齢マイナス20歳。奇跡の髪ですね!
―ひょっとしたら、10代かも・・・。結果が気になります。
―レディースアデランズのお客に、髪質の違いを見せつけに行くんですね!性格悪(笑)
―髪診断なんて受けなくても、結果はわかっているのでは?
美穂は、フォロワーからのレスを眺め、にやけそうになるのを堪えながら、入り口の戸を開けた。その瞬間、受付の女性が声を掛けてきた。
受付「いらっしゃいませ。ご予約のお客様でしょうか?」
美穂「こんにちは。無料髪診断を2時から予約しました岡田ですが・・・」
受付「岡田様、お待ちしておりました。まず、私の方から、髪診断の流れを簡単に説明させて頂きます。最初に、担当医の問診を行います。それから、髪の採取。マイクロスコープでの頭皮チェックという流れになります。」
美穂「はぁ・・・。わかりました。」
受付「では、まずは担当医の問診になります。こちらの部屋にお進みください。」
受付はそう言うと、右手の小部屋を指差した。どうやら、この部屋が診察室らしい。美穂は受付に促されるまま、診察室に入っていった。診察室の中には、美穂と同世代のロングヘアの女性が白衣を着て座っていた。
担当医(清水)「岡田美穂さん、あなたの問診を担当する清水です。よろしくお願いします。」
美穂「岡田です。よろしくお願いします。」
清水「岡田さん。まずはあなたの髪の悩みを教えてください。今回、髪診断を受けようと考えた理由を教えてください。」
美穂「はい。最近、抜け毛が急に多くなってきて、年齢的にもこのまま禿げてしまうのではないかと不安になり、診断を受けようと思いました。」
(嘘だけどね!本当は髪年齢が知りたいだけだよ!っなんて言えないからね(笑))
その後も、担当医の清水から、一日の抜け毛の本数から生活習慣まで色々と質問を受けた。美穂はその質問を適当に回答した。問診が終わると、担当医の清水は、美穂の髪を触りだした。直接、髪の状態を確かめるために。
清水「いやー綺麗な髪ですね。白髪も無いし、こんなに長いのにサラサラだし。私と同じ歳の人の髪とは思えないです。」
美穂「いやいや、そんなこと無いですよ。ただ長いだけですし。白髪が無いのはありがたいですけど。」
(あたりまえでしょう。あんたの汚い髪と一緒にしないでよ(笑))
触診が終わると、清水はマイクロスコープを取り出し、美穂の頭皮の拡大写真を何枚も撮った。その直後、別の機械を美穂の頭皮に押し当てた。どうやら、頭皮の弾力を測っているようだった。
清水「この頭皮の写真は、診断結果をお伝えする際に、お見せしますね。次は、毛髪を数本採取させてください。」
―ぷちっ
美穂の頭から、数本の髪が引き抜かれた。
清水「これで診断は終了です。結果が出るまで1時間ほど掛かりますので、お待ち時間に当社自慢の頭皮洗浄をされますか?」
美穂「頭皮洗浄?あ・・・じゃあ、お願いします。」
美穂は、清水に連れられ別室へ移動した。そこには、美容院のシャンプー台のような椅子が数個並んでいた。その一つに美穂は座らされた。椅子の横にいた女性は、手際よく美穂の髪を纏め、シャンプー台に流して、美穂の頭皮を専用のノズルで洗いだした。
(頭皮洗浄って、思ったよりも気持ちいい・・・クセになりそう・・・)
美穂は軽くうたた寝をしてしまった。そうこうしているうちに、頭皮洗浄が完了し、ドライヤーで髪を乾かし終わったころに、髪診断の結果が出たようだ。美穂は、ドライヤーを掛けてくれた女性に促され、先ほどの診察室に戻った。
(まあ、結果は聞かなくてもわかるけどね。髪年齢何歳かな?10代かも(笑))
清水より髪診断の結果が告げられた。それは、美穂にとっては驚愕の内容だった。




