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月夜譚 【No.201~No.300】

記憶の扉 【月夜譚No.270】

作者: 夏月七葉

 小学生の時に貰った賞状が押し入れの奥から出てきた。丸めてあったそれを広げると、自分の名前と読書感想文のコンクールの名称が目に入る。

 角は多少折れて、用紙も僅かに黄ばみが見えるが、状態は良い方だろう。こんなに古いものを、よくこれだけ綺麗に残してあったものだ。当の本人はその存在など、つい数秒前まで忘れていたというのに。

 しかしながら、ちょっとしたきっかけで記憶の扉は開くものなのだと実感する。教師からこれを受け取った光景に紐づいて、友人との会話や教室の匂い、黒板にした落書きまでもが甦る。

 青年は賞状の表面を指先で撫で、ふっと笑みを浮かべた。

 そういえば、六年生の時にタイムカプセルを埋めたのを思い出す。自身の記憶が確かなら、そろそろ掘り返す時期だと思うのだが。

 年末の掃除を再開する青年の耳に、ポストに手紙が投函される音が聞こえた。

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