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聖なる青4

よろしければ、お読み下さい。

 掃除が終わり、店の中に入ったガブリエラは、カウンターで薬用植物についての専門書を読んでいた。ロマーナは今、店の奥の調合室で薬の調合をしている。

 専門書を読み始めてそんなに時間が経たない内に、店のドアが開く音がした。入って来たのは、ラウルだった。

「ラウルさん、どうしたんですか?」

「……え、ガブリエラ様?ガブリエラ様こそ、こんな所で何をしているんですか?」

「ああ、私、薬師になる為の修業をしているんです」

「そうだったんですか。僕は、少し風邪気味で、良い薬が無いかと思って来たんです」

そう言うと、ラウルは咳込んだ。

「お辛そうですね。……私は修業中の身で、患者さんの体質や症状に合わせて薬を見立てる事が出来ないので、ロマーナさんを呼んできますね」

「お願いします」

 そして、ロマーナから薬を購入し、ラウルは帰っていった。


 「私は、デルフィーナ・プローディと申します。偽聖女に殺害されたダリオ・アッカルドの恋人でした」

バルト邸に連れてこられた茶色い髪の女は、応接室で言った。

「何故ガブリエラを見張っていた?」

マティアスが腕を組んで聞く。

「偽聖女に復讐する為です」

「復讐?」

「はい。私はかねてより、偽聖女を自らの手で罰したいと考えていました。そして今回、偽聖女が脱獄したと知りました。事件の詳細は聞いていたので、偽聖女はガブリエラ様を逆恨みしているのではと思い、ガブリエラ様を見張っていました。ガブリエラ様の元に現れた偽聖女を……殺害するつもりでした」

 ガブリエラが薬師の修業をする予定である事は調査済みだったので、ガブリエラの自宅か『ジーリオ』を見張っていれば、偽聖女を襲撃できる可能性が高いと踏んだらしい。

 「……つまり、ガブリエラを囮にして偽聖女をおびき寄せる気だったと」

「……端的に言えば、そうなりますね……申し訳ございません」

マティアスは、溜め息を吐いた。茶色い髪の女の正体はわかったものの、アンジェリカの動向も複数の行方不明事件についても何もわかっていない。


 「これからどうしましょうか。ロマーナ嬢に聞いた所、『ジーリオ』で牙を隠す薬を買った者はいないようですが」

二人だけになった応接室で、リディオがマティアスに聞いた。デルフィーナにはガブリエラを害する気は無いようなので、囮作戦はやめるよう言って家に帰した。

「そうだな……全く手掛かりが掴めないし……地道に不審者がいないか聞き込みをするしかないか……」

マティアスがそう言った時、玄関のドアが激しく叩かれた。リディオがドアを開けると、そこにいたのは慌てた様子のプリシッラだった。

「中に入れて下さいー。もしかしたら、すごい手がかりを掴んだかもしれないんですー!!」

 応接室に入ったプリシッラは、早速話し始めた。

「バルト伯爵、以前、サントアズッロの話をしたのを覚えていますかー?」

「……ああ、最近よく売れるっていう青い花……」

「はい。バルト伯爵とその話をした後、気になって植物の専門書を調べてみたんですー。そしたら、サントアズッロからは、牙を隠す薬の原料が採れるって書いてあったんですー」

「何だって!?」

「ベルナルド様に聞きましたー。行方不明者は、ヴァンパイアに殺害された可能性があるとー。あくまで想像ですが、もしかしたら、サントアズッロを買った人間が、ヴァンパイアかもしれませんー」

「買った人間はわかるか?」

「はい、高価な花なので、販売記録が残っていましたー。バルト伯爵も知っている人間ですー」

そう言って、プリシッラは買った人間の名を口にした。


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