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聖なる青3

よろしければ、お読み下さい。

 今度は、二人揃ってプリシッラの商会を訪ねた。

「ガブリエラ様、お元気そうでなによりですー」

プリシッラも元気そうだ。

 ガブリエラが手土産を渡すと、マティアスが聞いた。

「ビアンコ、最近偽聖女が脱走したり行方不明者が出たりと物騒だが、お前の周辺で何か変わった事は無いか?」

「特に変わった事はありませんが……強いて言えば、花が良く売れるようになった事ですかねー」

「花が?」

「はい、サントアズッロという青い花で、観賞用のマイナーな植物なのですが、最近よく売れるんですー」

「ふうん……まあ、お前も偽聖女の復讐の対象になるかもしれないから、気を付けろよ」

「はい、ありがとうございますー」

そして、二人は商会を後にした。


 ガブリエラ達を乗せた馬車は、ガブリエラの家に到着した。ガブリエラが馬車を降りると、ロマーナの店にいた時と同じような視線を感じた。振り返ると、また遠くにある木の陰に女性の姿が見えたが、女性は走り去っていく。

 「どうした?」

マティアスが聞いた。

「実は……誰かに見られている気がするんです。茶色い長い髪の女性です。私と視線が合うと慌てて走り去っていきますが……」

「本当か?」

「はい。先程も、ロマーナさんの店の前で視線を感じました」

「そうか……リディオに調べさせよう。相手はもしかしたら殺人を厭わないヴァンパイアかもしれないし、早急に手を打った方が良いだろう」

「そう言えば昔、ヴァンパイアが平民を次々襲う事件があったと聞きました」

「ああ、そのヴァンパイアは、俺の両親と騎士団が協力して捕まえた。当時十五歳だった俺も少し手伝った。そいつはもう処刑されたらしい。でも、危険なヴァンパイアはそいつだけじゃないかもしれないからな……」

「そうだったんですね……」

ガブリエラは、不安を抱えながら屋敷の中に入った。

 

 その日の夜、マティアスは書斎で、今日の出来事をリディオに話した。

「そうですか、行方不明者が八人も……」

「ああ、ヴァンパイアの仕業である可能性が高いと思う」

「……そのヴァンパイア、今まで誰にも牙を見られなかったのでしょうか。牙のある人間を見た者がいれば、それなりに噂になっているはずですが」

「人と全く関わらないようにしているか、あるいは……何らかの方法で、牙を隠す薬を手に入れたか……」

「明日、牙を隠す薬かその薬を作る材料を買った者がいないかロマーナ嬢に聞いてみます」

「頼む」


 次の日、茶色い髪の女はロマーナの店の側に佇み、店の様子を窺っていた。ガブリエラが店に入って三十分も経たない内に、白髪を緩く束ねた男が店に入った。そしてしばらくすると、ガブリエラが出てきて、店の前の掃除を始めた。

 その様子をしばらく眺めて、特に変わった事はなさそうだなと思っていると、不意に肩を叩かれた。驚いて振り返ると、そこには先程見た白髪の男がいた。

「店の中にいたはずじゃ……」

女は、思わず呟いた。

「店の裏口からこっそり出て様子を窺っていたのです。……あなた、ガブリエラ嬢を見張っていましたね?」

白髪の男――リディオは、そう言葉を発した。


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