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聖なる青1

今回から、『聖なる青』が始まります。

よろしければ、お読み下さい。

 プランタス王国を出発して二日後、ガブリエラを乗せた馬車は、ガブリエラの自宅の前に停まった。馬車を降りたガブリエラは、見慣れた白い壁の屋敷を見て目を細める。

 「お帰り、ガブリエラ」

「おかえりなさい、ガブリエラ」

家に入ると、父親のレナートと母親のミリアムがガブリエラを抱き締めてくれた。

「……ただいま、お父様、お母様」

ガブリエラは、目を細めて笑った。

 娘の無実が証明されたと思ったら、その娘は急に薬師になりたいと言い出した。二人共、どれだけ心配しただろう。寂しい思いをしただろう。それでも、こうして笑顔で迎えてくれる事がありがたかった。

 その日の夜、故郷に帰って来た事を実感しながら、ガブリエラは眠りについた。


 次の日、ガブリエラは馬車でバルト邸に向かった。玄関のドアを叩くと、リディオが顔を出した。

「……お久しぶりです、ガブリエラ嬢」

リディオが、穏やかな笑顔で言葉を発した。

「お久しぶりです、リディオさん」

ガブリエラも笑顔で答え、玄関の中に入ると、リビングからマティアスが出てきた。ずっと会いたかった人。

「……只今戻りました、マティアス様」

「お帰り、ガブリエラ……ずっと会いたかった」

マティアスは穏やかな笑顔でそう言うと、ガブリエラの方に歩み寄り、優しく抱き締めた。


 リビングでガブリエラは、修業中の出来事をマティアス達に話した。ギャングが店に乗り込んできたりとトラブルもあったが、充実した、楽しい日々だった。

 マティアスも、近況を話してくれた。相変わらずジェラルド殿下からとんでもない量の仕事を振られているが、とりあえず元気との事。二週間くらい前からロマーナが改良した牙を隠す薬を飲み始め、貧血の症状はほとんど出ていないとも聞いた。ベルナルドとプリシッラも元気に仕事をしているそうだ。


 「皆さん元気そうで良かったです」

ガブリエラが笑顔で言ったが、マティアスはお茶を飲みながら、少し眉根を寄せていた。

「どうしました?マティアス様」

「……皆が元気なのはいいんだが、少し気になる情報がある。……一昨日の新聞に載っていたんだが、偽聖女のアンジェリカが、脱獄したそうだ。しかも、脱獄に気付くまで一週間くらいかかったらしい」

「ええっ!」

アンジェリカは、例の事件の後、警備が厳重な牢獄に入れられたはずだが。

「どうやって脱獄したのかは知らないが、俺達を逆恨みして復讐に来る可能性もある。お前も気を付けろよ」

「……はい」

 それからしばらく三人で他愛もない話をした後、マティアスが言った。

「お前、これからロマーナ達のところに顔を出すんだろう?俺も一緒に行く」


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