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第178話「女生徒の影」

「なんでも、ない」


 ググリが少し苦しそうに返事をした。しばらく沈黙が流れる。


「――そうですか」


 コリー先生は明らかに見透かしている様子だったが、ここは知らないふりをしてくれるようだった。ググリの顔は笠で隠れているからわからないが、きっとホッとした表情をしていることだろう。ユナも肩の力が抜け、無意識に緊張していたことに気が付いた。

 その様子を見て、今自分が何をしようとしていたのか気が付いたリンは、謝ろうとしてまたググリに止められていた。


「調査についてですが、僕のほうでももう少し魔術陣のことについて調べてみるので、何か皆さんのほうでも方針が決まったら教えてください。協力が必要そうだったら遠慮なく。それでは」


 何かやることがあるのか、コリー先生はそう言い残してそそくさと部室の奥のほうへと消えていった。


「ごめんっ!」


 ググリが注意するよりも先に、リンが謝罪した。


「……いつも、止められるとは、限らない。気をつけろ」


「うん、ほんとごめん」


「…ああ。それで、どうする?」


「どうしようか。やっぱり魔術陣探す?」


 森が封鎖されるとなると、入るのは難しくなる。わざわざ塀まで作るとなると、警備の人を立てたりとかするのだろうか。そしたら自分たちだけでこの間のように侵入するというのはほぼ不可能になるだろう。ユナもうーんと唸った。


「他になさそうなら、探さないか?」


「何を?」


「あの生徒を」


 あの地下にいた女生徒。それと壁に描かれていた魔術陣。自分たちに残された手掛かりはそれくらいだった。


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