第151話「4人?」
ユナたちは魔術陣研究会の部室までやってきた。リンがドアを一応ノックしてから、返事を待たずにドアを開ける。
「先生!いますか?」
「はーい、いますよー」
部室の奥から声が聞こえた。
「よかった。さ、こっち」
「お邪魔する」
「シツレイします」
メイゲツとググリが、恐る恐るといった様子で部室へ入っていく。ユナはそれを見て、自分も最初はこんなだったかなと、少しずつこの部室に慣れてきたことに気が付いた。
「おお~!新入部員さん、かな?」
奥から本を抱えて現れたコリー先生は、メイゲツとググリの新しくやってきた二人を見つけて嬉しそうな様子だった。
「はい!そうなんです!」
「ア、っと」
ググリが何か言いたげな様子だったが、それに気が付かなかったのか、遮るようにメイゲツが続けた。
「うむ!拙者、名をメイゲツと申す。よろしくお願いします」
メイゲツがさっと目配せをして、ググリに促した。
「……オレは、ググリ。よろしく、お願いします」
「うんうん。よろしく!それで、入部希望ということだそうだけれど、見学とかは大丈夫かな?期間外になってしまったとはいえ、自分が入る部活なら一度くらい見ておいた方がいいと思うよ」
「いや、拙者は「ウン!その、見学!お願いします」
今度は、ググリがメイゲツを遮った。その様子にユナやリンも驚いたが、まあ確かに一度見ておきたいなというのは分かることだったので、見学をする流れとなったのだった。
このままいけば、魔術陣研究会の新入部員はリン、ユナ、メイゲツ、ググリの4人になるところだが、しかし、そうはならなかった。




