3発目 山崎はレッドドラゴンを討伐する【前編】
冒険者となった山崎はレッドドラゴンを討伐するべくアラクーナ山へ来ていた。
アラクーナ山の麓には小さな村があり、村の住民達はアラクーナ山で採れる薬草や鉱物を主な収入源としていた。
しかしアラクーナ山に住み着いたレッドドラゴンのせいで今までのように薬草や鉱物を採取することができず困り果てていた。
そこで冒険者ギルドにレッドドラゴン討伐の依頼を出したのだ。
村へ着いた山崎は早速、村長に依頼できたことを伝えた。
「ありがとうございます。依頼をお願いしたのはいいのですが、レッドドラゴンの討伐は大変危険なので冒険者の方達もその…あまり寄りつかなくて」
「問題ない。山崎が来たからにはそのレッドドラゴンというモンスターをすぐに狩ってきてやる」
山崎は村長との会話を軽く済ますとアラクーナ山の入り口へ行き、門番へ事情を話しへ入山した。
けわしいアラクーナ山の山道を歩きレッドドラゴンのいる山頂を目指す山崎。
するとその前に謎の影が立ちふさがった。
「やい、誰だ貴様!」
山崎の目の前に現われたのは全身緑の色で触角を持ちタコのような足が生えた一つ目の生き物だった。
「この山はこのシメサバ星人様の領地だ! それを知ってーーー」
シメサバ星人が話をしている途中、山崎はとりあえず手から火球を出現させるとシメサバ星人にむかって放った。
「イギャーーー! 焼けちゃう! シメサバじゃなくて焼きサバになっちゃうーーー!」
シメサバ星人は勢いよく燃え上がり七転八倒した。
もがき苦しむシメサバ星人だったが山崎はもう一度、火球を放つ。
「アッヅァァァァァァ! 触角がチャームポイントの触角が燃え尽きるぅぅぅぅ」
しばらくしてのたうちまわり、炎が収まったシメサバ星人は息を切らせながら山崎に話しかける。
「あ、あの…マジですいません。調子こいてました。だからあの…命だけは……」
ペコペコ頭を下げ必死に謝罪をするシメサバ星人。
しかし山崎は謝罪を無視してシメサバ星人の触角を思いっきり引っこ抜いた。
「いっづぁぁぁぁ! しょ、触角がァァァァァ!!!」
シメサバ星人の頭から血が滝のように噴き出す。
痛みと触角を抜かれたショックで謎のダンスを踊るかのようにシメサバ星人は動き回る。
「触角は……触角はダメでしょうがぁぁぁぁぁ」
怒り狂うシメサバ星人。
「邪魔」
そこに間髪入れずに山崎は火球を放つ。
爆音がアラクーナ山に響きヤキサバ星人は消し炭のように横たわる。
山崎はそんなヤキサバ星人を踏み越えて山道を進んだ。