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021_ケーキが食べたい_side-スノゥ-

side-スノゥ-


 今日は演習場で魔導師たちと魔法の連携の訓練がある。

 正直人と合わせるのは苦手だ。

 だけど、複数人で戦闘する場合には必要なスキルだから、訓練は必要だ。

 親しい人達とだったら訓練なんかしなくても、誰がどう動くか、何をどうしたらいいかはその場その場で臨機応変に対応できるけれど、城で編成され部隊だとそうもいかない。

 だからいつ、どんな人達と編成されても臨機応変に行動できるようにしなくてはならない。


 正直、戦闘自体に参加したくない。


 普通の宮廷魔導師ならば、そんなわがままは通らない。だけど、僕はある程度は許され、不測の事態の場合のみの参加と、参加時は攻撃部隊ではなく、援護、または救護で良いとされた。

 全属性が使えるおかげだね。



 演習場へ向かう途中、メイドさん達が数人あつまって何か紙を見ていた。

 メイドさんたちの会話は面白い話が多い。

 気づかれないようにそっと近づく。


「行きたいわよねー」

「うんうん。これって今日だけなんでしょう?」

「今日非番の子に頼んで買ってきてもらうとか?」

「そうは言ってもこの頃暑くなってきたし、街からここまでの間に溶けちゃったりしない?」

「空間魔法が使える人かアイテムバックの貸し出し許可を持ってる人じゃないと…」

「…ケーキの為に?」

「ケーキの為に…」

「………」


 手元をのぞき込むとケーキの絵が描かれたチラシだった。

 全国を回ってる洋菓子店のチラシで、今日、街の広場を借りて開店しているらしい。


「僕も食べたい」


 思わず声に出していた。


「え…?あ、ヴァ、ヴァンエント様!?」

「僕、空間魔法使えるから一緒に行こう」


 とりあえず思ったことは口にする。

 監視の目があると言っても結構自由が利き、何とかなるからだ。わがままと言われればそうかもしれないけど、自分の立場は大いに利用しなくては。


「も、申し訳ございません…、私共は今日は出られませんので…」

「えー…。じゃあ、誰なら一緒に行けるかな?」


「誰が一緒でも駄目ですよ」


 背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 振り返るとレグがいた。

 僕がいつものんびり歩いていとどこからともなく現れる。


「行く。ケーキ食べたい」

「連携訓練はどうするんですか」

「今日は気分じゃない」

「……」


 メイドさんたちがオロオロしている。

 多分、自分たちがチラシを僕に見せてしまったから、何かしら責任のようなものを感じているのかもしれない。

 まぁ僕が勝手に覗いたんだけど。

 今回は諦めるかな…と思っていると…。


「ちゃんと宰相様のお許しがあれば宜しいですよ。ですが、次はちゃんと参加してくださいね」

「やったー。…レグって甘いよね…」


 そう言い残してサクサクと宰相のところへと向かった。去り際にレグが後ろでなんか言ってたけど、いつもの小言だから気にしない。

いつもより短めですが突然更新しちゃいました…。

続きもまだ少し手元にあるんですが、年末年始は仕事先の冬休みによるしわ寄せが来るので…安定した再開に目途はついておりません;;

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