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020_魔法ってよく分からんことが分かった。

 もともとは散歩と言われてついてきたはずなんだが、昼ご飯を食べながら話を聞いていると、今日は月に一度の開放日らしい。

 開放日というのは、この犬たちに散歩や訓練ではなく、1日中自由に遊ばせる日とのことだ。

 そして、本来は午後からだったらしいが、オレの為にその予定を少し変えて午前中からにしたそうだ。


「ジン様は色々と期待されていますからね。戦闘は好まれないとお聞きしていますが、戦闘以外でもどんな能力があるのか、様々な観点から検証してみましょうと言われています。なので、今後も色々なところからお声が掛かるかと思います」


 マジか。やめてほしいな。

 オレはどちらかと言うと主人公の引き立て役とか、主人公の背景にチラッと居るようなモブキャラでいたいタイプなんだけど…。

 魔獣化してしまった時点でモブは厳しいかもしれないけど、主人公ならどちらかというとチート持ちのスノゥだろう。

 あ、でもスノゥが主人公だったら、そのペットになった俺は準主人公的な立ち位置になるのか?


「ああ、もちろんやりたくないことなんかは断って頂いて問題ありませんよ。ヴァンエント様からもくれぐれも無理強いはしないようにと言われていますので」


 ふむ…。しかし、まぁ、何事も1度はやってみた方がいいだろうな…。今日みたいに案外楽しかったりすることもあるだろうし、何が仕事につながるかもわからないし。

 戦闘系は出来れば断りたいところだけど、この世界、何が起こるかわからないし、自分の身を守るすべとして少しは学んでおいた方がいいような気もしてきた。

 そのうち自由にうろつけるようになったとしても、どんな世界にも悪いことを考える奴はいる。

 オレの存在はこの世界でも珍しいようだから、もしかしたらそういう奴らに狙われる可能性だってあるし、この間の泉みたいに突然追いかけられることもあるかもしれないし…。

 スノゥが傍に居れば助けてくれるかもしれないけど、でかい図体したオレが子供の姿の…それも美少女のようなスノゥに助けられるのは格好がつかない。


「とは言っても今日は羽を伸ばしていただけたらと思いお誘いしたんですが、ジン様の身体能力を拝見したらついつい訓練していただきたいと思ってしまいまして…。もし興味を持っていただけたなら毎週火木金の午後からここで訓練をしていますので、是非お暇な時でも構いませんのでお越しください」

「ジン様でしたら、いつでも大歓迎しますです!」


 運動不足の解消にもなりそうだし、アスレチックみたいで楽しかったので、オレはその申し出をありがたく頷いて答えた。

 そういえばあの障害物は初級だと言っていたな…。結構本格的に思えたけど、上級になったらどうなるんだろうか…。少し興味がある。


「さて!ではそろそろ再開しましょうか!」




 午後からは犬たちも自由に参加できるようにと、アンナがオレのコースの長さに合わせて隣に犬専用のコースを繰り返すように制作していった。障害物と障害物の間は少し間が空いていて、距離を稼いでいるようだ。棒が立っているコースなんかは棒の数が倍になっている。まぁ、オレのコースの距離に合わせたら多分10回分くらいは必要になるだろうから作るのも大変だ。

 犬たちはいつもと違う感じに興奮している様子だ。アンナがコースを作っている間にも何匹かはコースをウロウロして遊んだりしていた。


 そんなこんなで午後からは犬たちと一緒にコースを走ることとなった。犬たちは5頭ずつ往路と復路に分ける。基本的に犬たちは集団で行動させるために数匹同時に同じコースを走らせるそうだ。このへんはやっぱりレースのアジリティとは違う。

 もしオレが森でハンティングや討伐に参加するとなったら、オレも一緒に走る訓練は必要になりそうだ。だって、犬どころか人すら普通に踏んずけそうだ。

 でもそういうのは極力参加したくないから、とりあえず反射神経と動体視力を磨けば、突然そういう場面に出くわしても最悪の事態は避けられるだろう。

 一度に色々出来るほど器用じゃない。考えるのも面倒だ。文字、魔法…というか錬金術、運動。この3つを習うことにしよう。

 錬金術に関しては結局時間が無くて全然聞けなかったんだけど。だから当面は魔法だな。

 文字は自分で勉強できるし、運動に関してはマリーさん、魔法は…スノゥはなんだかんだ忙しそうだから、誰かを紹介して貰うか…。でも言葉が通じないと質問が出来ないからな…。






◇◇◇◇◇


 夕方、訓練を終えて屋敷の前でゴロゴロしているとスノゥが帰ってきた。

 とりあえず、今日の事と、魔法の勉強について話をしてみることにした。


『という訳で、身体能力を鍛えるために今後もマリーさんに犬たちと一緒に訓練して貰おうと思てるんだけど…』

「自分から訓練しようだなんて…物好きだね」

『…スノゥは運動とか嫌いそうだもんな』

「僕はずっとゴロゴロしていたい」

『そんな感じするな』


 オレも忙しいのは嫌だけど、何もしていないのも詰まらない。元の世界ならゲームしたり映画見たり、買い物行ったり、何かとやることはあるけど、ここで今出来ることと言ったら本を読むかゴロゴロしているしかない。


「もちろんジンはジンの好きなことをしたらいいよ」

『ありがとう。あと、もう一つ頼みがあるんだけど…』

「んー?」

『何かしら魔法を使えるようになりたい』


 地属性があると言っても、この世界の(ことわり)的に何ができるのかわからない。ゲームなんかだと地震を起こしたり尖った岩を地面から出したり、地割れを起こしたり、結構攻撃的なのが多い。

 無属性は結構ゲームによってはそもそも無かったり、あってもできることが色々違ったりする。まぁ、以前聞いた感じだと空間魔法とか攻撃系の補助とかだったけど。

 部屋にあった魔法の本を読んでいても魔法は使いたい魔法の詠唱を唱えると使えるみたいな事が書いてあったけど、詠唱を省略したり、場合によっては無詠唱なんてのもあるらしい。

 結局のところ、まったく魔法に関して無知なオレが、誰からの教えもなく本を読んでいただけではよく分からなかったんだ。

 初歩的なものでも使えるようになれば理解できる幅が増える。


「んー、言葉の都合上、教えるのって僕だよね?」

『まぁ…そうなるな…』


 やっぱり面倒くさいとか思われただろうか。


「いいけど、僕の教え方は一般的じゃないよ。それでもいいなら教えられるけど…」

『一般的じゃないって?』

「ん~…。今一般的に使われている魔法と魔力の流し方が違う感じ…?現代の魔法と古代の魔法を融合してより効率化されているから、便利にはなってるけど、まだ一般的に普及してないんだよね。だから、最初から僕の使い方で慣れてから、一般的な魔法を習ったら面倒くさいことになる…みたいな?」

『スノゥから習った後で一般的な魔法を習う必要ってあるのか?』

「例えばワープゲートを起動するには一般的な魔力操作じゃないと駄目とか、魔道具系は全般そうかな?」

『スノゥは一般的な魔法使えるんだよな…?』

「使えるけど、感覚的なもので使ってるから人に教えるのはちょっと難しいかな」


 なるほど。あれか。天才肌タイプ。


『じゃあ、先に一般的な方をちゃんと覚えた方がいいのか…』

「錬金術もやってみたいって言ってたし、錬金術も一般的な魔力操作になるから…」

『でも違う人に教わるには、言葉の壁がなー…』

「…ん~…。古代魔法の使用許可が下りればそれも少しどうにかできると思うんだけど…」

『古代魔法って普通には使えないのか?』

「純粋な古代魔法は現代では禁呪になってるんだって」


 禁呪…。なんか危険な単語が出てきたぞ。 


「古代魔法は使い手によっては、とっても危険な魔法だから、万が一悪い人たちに真似でもされて使われたら大変だからって」


 そういってスノゥは腕に嵌められているブレスレットに触れた。


「これね、古代魔法を封じるものなんだ。僕は元々古代魔法に特化していたから不便なんだけど、無意識に使ってしまわないようにって」

『あれ?でも現代魔法と古代魔法を融合して云々言ってなかったか?』

「うん。その古代魔法は知識的な部分で、現代魔法を強化したり安定化させたりするもので、魔力操作自体は現代魔法だから」

『そう…か。うん。そう』


 うん。なんかわからんが、色々あるらしい。

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