百合花さん、電子機器がお好きなようです
俺が良く理解できないまま話が進み、挙句の果てに会長の妹である金木犀 百合花からの次の中間考査における成績勝負の宣戦布告。
まあ、あの銀髪妹に勝たなければいけないのは分かったが、なんで...
「お姉ちゃ~ん、今週末出かけない?私この服欲しいんだ~」
「百合花、あんなこと言ったんだから多少は勉強したらどうなの?」
「だって~、あんなの授業だけで十分だもん」
「なんで、二人が俺の隣に座ってるんですか!?」
宣戦布告のあと、俺が登下校使っているバスが来たために乗ったはいいものの、なぜかこの2人も乗って来やがった。
俺が一番後ろの席に座ったらなんか隣に来るし。
この数分で何度あの姉妹に振り回されたことか...
「公共交通機関なのですからもう少し静かにしてくださいね、天野くん」
「はい、すいません」
あまりの出来事だったために興奮してしまった俺を会長が注意してくれる。
......ん?
「いや、この状況俺に問題があるんですか?」
あぶないあぶない、危うく俺にすべてを押し付けられて終わってしまうところだった。
「確かにうるさかったのは俺ですけど、俺について乗ってきた2人にも責任が...」
「私たち、いつもこのバスで登下校してるんですけど」
「すいませんでした。ほんと、すいませんでした」
俺の攻撃は百合花さんのカウンターによってむなしくも失敗に終わるのであった。
「まあ、2人がこのバスに乗るのは分かりましたが、さっきの中間考査のことについてちゃんと説明してくれませんか?いきなり『成績で勝負』なんて言われても理解できないですし」
「確かにそうですね。勝負といっても細かいことは何一つ伝えていなかったですし。とりあえず、ここは百合花に説明してもらうわね」
「任されました、お姉ちゃん!ということで、これをみて」
そう言って百合花さんは学校指定のカバンからすばやくタブレットを取り出すと、慣れた手つきで操作し俺のほうに画面を向けてきた。
一見すると、良く見るPowerPointの画面だ。
「あ、ごめん。ちょっと待ってね」
今度はカバンからマウスを取り出し、タブレットと接続後にひざの上でマウスを動かし作業をし始めた。
「ごめんなさいね、この子電子機器が好きでいつもいろんなの持ち歩いているの。今回のことを電話したらすぐに資料作ってきたし。優秀なのはうれしいのだけれど、ここまで来ると心配になるのよね。部屋とかすごいことになってるし...」
梨理花さんの姉としての妹への心配は相当なもののようで、俺までどうしても気になってしまう。
バスに揺られること数分間、タブレットのタップ音とマウスのクリック音が鳴り止むことはなかった。
「よし!これで...終了っと!今度こそ大丈夫だから。それじゃあ、説明ターイム!」
そうしてタブレットに映し出されたPowerPointの1ページ目にはこう記されていた。
【第1学期中間考査における新生徒会役員について】
どうも、Montyです!
今回もお読みいただきありがとうございます!
この話は少し急ぎで書いたので今までのよりも薄いですが、まあ気にしないでください!
その分次が長くなるはずなので。
それでは、次話は1月13日の投稿です!
また読んでください!