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生徒会長

 とりあえず次のテストで好成績をとって生徒会に入ることは決まったものの、今のままではいくら成績を上げても意味はない。

 どうにかして生徒会長と接触して中間テスト後に推薦してもらわなければ・・・。

 登下校に使っているバス停までのわずかな道のりの中で、いくつかの案を思いつく。

 1つ目が、直接生徒会室にいき交渉するというものだ。

 手っ取り早いといえばそうだけど・・・。

 

 「さすがにいきなり行くのは意味が分からないし、何よりあの姿を見てしまったら...」


 生徒会室の扉を開けた先に、入学式の日に見た美しい生徒会長幼女がいると思うとにやけが止まらなくなる。

 おっと、反対側の歩道を歩いているおばあさんがまるで不審者を見るかのような目で俺のことを見てきやがった。

 まだ、幼女のよさが分かってない可愛そうなおばあさんなんだろう。

 次の案だが、生徒会のほかのメンバーあるいは生徒会メンバーとかかわりのある人との接触だが、まあ入学したてで校内のほとんどの人と面識がない今では到底不可能に近いだろう。

  

 「となると、やはり会長に直接コンタクトを取るほうが良いのか...」

 

 「私に何か用ですか?」

 

 「っえ?いや、なんでもありませ...って!生徒会長!?」

 

 「いかにも、私は生徒会長である2年の『金木犀(きんもくせい) 梨理花(りりか)』です。あなたは、ネクタイの色を見る限り1年生ですね」


 この高校の制服はブレザーになっており、学年ごとに色が異なっている。

 1年の俺は緑、2年の会長は赤、そして3年生は青となっている。

 一瞬でネクタイに目がいくとは...さすが会長だ。


 「君、考え事をするなとは言いませんが、ぶつぶつ話しながら歩いていると不審者に思われますよ」

 

 「・・・会長。俺の心配をしてくれたんですか!うれしいな~」


 「顔、気持ち悪いですよ。それに、心配ではなく一般的な話です」


 会長的にはお説教だったらしいが、まあどちらにしても俺にとっては超ご褒美イベントに変わりはない。


 「で、君は私に用があるのですよね」

 

 「『君』じゃなくて、『天野(あまの) 和良(かずよし)』です』


 「そうか、すまなかったな。では、天野君私に何の用かな?」


 全く持って予想外だったが、第一目的である会長とコンタクトを取ることには成功した。

 しかし、いきなり生徒会に入れてくれなんて言っても相手にはされないだろう。

 くそ!どうすれば...


 「言いたいことがあるならはっきりといったほうが良いですよ。言わなければ、後に後悔するだけですしね。それに、私も天野君の言いたいことを聞かずに終わると後々気になってしまいますからね」

 

 夕焼けに照らされた会長の姿は、まさに天使だった。

 さらさらの金髪に反射する夕日、会長の心を表しているかのように澄んでいる碧眼、すべてを包み込んでしまいそうなほどに暖かな微笑み。

 これが夢だといわれるほうが信じれそうなほどに、俺は、心の奥から感動した。

 ここまで言われて隠す必要は一切ない。

 俺は、俺の意思を伝えることにした。


 「会長...俺...生徒会に入りたいんです!」


 「...え?生徒会に入りたい?」


 「はい!」


 「あ...うん、そうなのね。分かったわ。その顔を見るに、しっかり条件も知っての上で話しているのね」


 いきなりすぎるお願いのために、少し困って顔をする。

 まあ、いくら会長の推薦があれば生徒会には入れるとはいえ役職の枠も限られているわけだしな。

 なんども「どうしたものかな...」などとつぶやきながら数分が立つ。

 すると、何か思いついたのかスマホを取り出して操作を始める。

 おそらく、他の役員に連絡を取っているのだろう。


 「時間を掛けてしまってすまないね。すぐに来るからもう少し待っててくれるかい?」


 「はい、構いませんよ」


 利用するバス停は目の前にあるし、こちらが話を進めていたのだから断る必要もないので会長が呼んだであろう役員の人を待つ。

 会長と2人きりというなんとも気まずい時間ができてしまう。

 人と話すのが苦手というわけではないが、入学式初日から一目ぼれしている会長といきなりこの状況はきつすぎる。

 早く来てくれとずっと願いながら、Twitterを開く。

 そこには見慣れた同氏たちのいつもどおりのツイートがある。

 こういうのをみると、世界の平和を感じる俺である。


 「・・・すいませーん。遅くなりました」


 あれから5分くらい経っただろうか。

 学校のほうから1人の女子生徒が駆けてくる。

 俺の横を過ぎると、すぐに会長の隣に着いた。

 

 「ごめんなさい、遅くなっちゃって...」

 

 「いいわよ、いきなり百合花(ゆりか)呼んだのは私だしね。それで、さっき送ったの呼んでくれた?」


 「はい、私はあの内容で問題ないですよ。今までの物足りなく感じてましたし」

 

 会長が百合花と呼ぶ彼女は、会長の神々しい金髪と比べると派手さはないもののどこか神秘的な何かを感じさせる美しい銀髪であった。

 身長は大体160センチメートルに届かないぐらいであろうか。

 男子の俺から見るとそこまで大きくは感じないが、小さな会長のとなりにいるせいなのか少し高いような気がする。

 一瞬3年生かと思ったが、会長との話し口調、俺と同じ緑色のリボン、そして会長と全く同じ碧眼。

 脳の片隅に小さく浮かんだ『妹』という一文字。

 髪の色的にありえないとも思ったが、俺が完全に否定する前に真実が本人の口から告げられる。

 

 「私は、あなたと同じ1年の金木犀(きんもくせい) 百合花(ゆりか)。次の中間考査、生徒会役員の座を賭けて私と勝負よ!」

 

 

 

明けまして、おめでとうございます!

去年は全く活動できませんでしたが、今年はよろしくお願いします!

今年1年は、今日投稿したこの作品でやっていきたいと思います。

投稿ペースに関しては、週1を目安に考えています。

毎週月曜を目標投稿しますが、投稿日が前後したり週に2本出すこともあるかもしれません。

とりあえず、次は6日の予定です!

それでは、また次の話で~

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