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余命1年   作者: グラン
3/5

検査の時間

コンコン。

病室の扉が叩かれた。


「はーい」


と答えるとガラガラと、扉が開かれた。

そこに立っているのは、顔はガスマスクで覆われ服装は、宇宙服の様な服を着ている人だ。


こんな不審な格好をしているが、これでも一応俺の、看護師の1人だ。


何故こんな格好をしているかと言うと、この病気が、感染する可能性があると考えた国が俺と関わる人達すべてに、この服を着る事を義務付けた。


もちろん、俺と面会に来る人にもだ。


面会に来る人はもっと厳重で、ガスマスクに、宇宙服の様な服装で、更にアメリカの刑務所の様に、ガラス越しでしか会話する事しか出来ない。


まあ、俺が入院してから面会に来た人はいないが…。


俺は、仕方がないと思っている。


何故なら、誰だって未知の病気に犯されている人の面会に来るだろうか?しかも、感染する可能性があり、もし感染したら、1年以内に死ぬと言うおまけ付きだ。


そんなとこに君達は、面会に行くだろうか?俺だったら行きはしないだろう。


「そろそろ、検査のお時間です。」


とそのガスマスクを被った人は言った。

時計を見ると、10時になっていた。


「ああ、もうそんな時間ですか。」


「いまいきます。」


検査の時間は、1週間に一度1時間ほど行われる。


俺が死ぬまでに、病気の症状を遅らせる薬か、病気を治すための薬を作るために、病気のサンプルが欲しいのだろう。


検査は、レントゲン撮影、採血、検尿、血圧計測、脈拍などの検査を受ける。


「で、今日の検査は何をやるんだ。」


検査は、数ある中からランダムに3つ選ばれ、当日何の検査を受けるのかを教えられる。


「今日は、レントゲン撮影、検尿、採血になります。」


「採血あるのかよ。」


「どうかなされましたか。」


この歳で注射が嫌いだとは、言えなかった。


病室から診察室まで行くのには3分ほどかかる。


診察室の前まで行くと、わかっていた様に、


「どうぞ。」


と言われた。

ガラガラと 扉を開けると、やはり全身を宇宙服の様なもので覆っていた。


「聞いていると思いますが今回は、レントゲン撮影、検尿、採血になります。」


レントゲン撮影、検尿が終わると、ついに採血の番になった。


入院してから1ヶ月程経ったが採血は何度やっても落ち着かない。


腕をゴムで留められ、消毒をされ、注射の針を、プスッと刺された。


「いっ」


「大丈夫ですか?」


「だ、大丈夫です。」


実は少し痛かった。


検査は毎回1時間程で終わり、そうなったら自分の病室に戻る。


俺のいる病室は、とても広く窓は1つも付いていない。そのため朝起きたら時計を見る事で、体内時計をリセットする事が大切なのだ。


換気は、天井にある大きな換気扇で行われている。

これも空気からの感染を防ぐためだ。


外の世界が見えないのが見えないのは不便だが、ここにはテレビがあり、外の情報に不便はない。


ゲームも完備されており、スイッチ、ps4、タブレットがあり、ゲームをするのにも困らない。


1週間のうちだった1時間の検査が終わればあとは自由な時間になるなんてなんて素晴らしい余生なのだろう。


しかし、俺は知らなかった。

こんな素晴らしい生活も長くは続かないと言うことを…。




残り余命日数325日






















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