再会!Another Party!②
めっちゃお久しぶりです。
実はカクヨムに移動してました林藤ハルト改め雪村遥人です。
少しずつ更新していくのでまたしばらくお付き合いください。
カクヨムの方が更新ペース早いので良ければ「雪村遥人@超BIGなプリン」で検索をお願いします。
追記:カクヨムにて改正版を投稿するにあたり、主人公の名前をユキからユウキに変更しました。
こっちでは極力ユキで書いていきますが、修正ミスが出てくる可能性が高いのでご了承ください。
『@@@@@!!』
鼓膜を叩く凄まじい轟音。その正体が怪物の咆哮であると理解するのに、そう時間はかからなかった。
全身の筋肉が硬直する。
「これは……痙攣か……?」
数ある状態異常系スキルの中でも特に厄介な物の一つだ。
というのも、専用スキルである〈痙攣耐性〉を持っている他に防ぐ術が無い。
毒系統に属する〈麻痺〉であれば解毒薬での回復が可能だが、衝撃破や電撃等で筋肉に直接異常を発生させる〈痙攣〉は回復も不可能だ。
怪物は動けない僕たちのすぐ横を通り抜け、地面に刺さった大剣に手を伸ばした。残った左腕でそれを振り上げると、そのままカエデに向けて振り下ろした。
「カエ――」
呼びかけるより早く、信じられない光景が映った。
〈痙攣〉を受けて動けなくなっていたはずのカエデが振り下ろされる大剣の動きに合わせ、紙一重で当たらないように振り向いた。
一歩だ。
たった一歩、斜めに重心を動かしただけで、必殺の一撃を回避した。
「天斬裂破」
魔力光が走る。一対の二刀が怪物の体表を裂き、吹き出す血潮をも斬り飛ばした。
「はい終わり」
「……お前凄いな」
「そう?ソロの時は大体こんな感じだよ」
「ソロの時?」
随分と含みのある言い方だ。単独での戦闘時に効果を発揮するスキルでも持っているのだろうか?
基本一人で行動している僕にとっては喉から手が出るほど欲しいスキルだな。
「えっと……ユキくん、その子知り合いなの?」
「ミノタウロスを圧倒するなんて人間とは思えないです」
二人はリアの障壁で身を守っていたようだ。見たところ怪我も無さそうだな。
無事を確認した僕は二人にカエデのことを紹介する。
「要は関係の良好なパーティのメンバーってわけね」
「そゆこと」
もちろん転生云々の話は省いた。
言っても信じてもらえないだろうが、異常者だと思われるのはゴメンだ。
……すでに変なヤツだとは思われていそうだけどな。
「二人もよろしくね。それでユキくん。今度はボクに二人のことを教えて欲しいな」
「もちろん」
「金髪の方がエミリー。銀髪の方がリア。僕のパーティメンバーだよ」
「「よろしく(お願いします)」」
「ふむふむ……つまりユキ式ハーレムってことだね!」
「ぶっ飛ばすぞ」
「えー違うのー?」
「違う。それに、そういう言い方は二人に対しても失礼だ」
「それは確かに。いじるのはユキくんだけにしないとね」
「おいコラ」
などと話していると、遠くの方から声が聞こえてきた。
「おっと、ボクはもう行くね!」
「ああ。またな」
声の方角は階段のある方向だ。学園の教員が来てくれたのか。
みるみるうちに遠ざかっていくカエデの背中を眺めながら、僕は冷や汗に濡れた額をぬぐった。




