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手に入れたスキルはガチャでした  作者: 林藤ハルト
学園生活編
54/57

ダンジョンは危険です②

インフルになる前に書いてたヤツを仕上げました

新しいのはまだまだ先です

喉痛すぎて常に飴舐めてないとやってられません

「やった・・・上手くいったぞ!・・・ククク、俺に逆らうからこうなるんだ・・・」


ダンジョン内に響く愉悦に塗れた笑い声

その声の主はエルド・ライツだった。

彼は酷く苛立っていた、理由はギルドでの出来事である。


完全に逆恨みなのだが、彼が行動を起こすには十分であった。


使用したのは土属性魔法の〈トンネル〉だ。

地面や壁に小さな穴を作る簡単なもので、階層になっているダンジョンでは効果的な技だ。


「おいライツ!早く来ないと置いていくぞ」


「あぁ。今行くよ。」


「サヨウナラ・・・舞城クン。」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


2階層に落ちてから10分が経過した。

あと1時間で戻らないと先生の説教が始まる。


「あとどれ位で階段?」


「どれくらいも何も見えてすら無いだろ・・・察してくれ」


まだ10分程しか歩いて居ないのだが、いつ襲われるか分からない状況が容赦なく体力を奪っている


特に2階層は見通しの悪い岩場だ。周囲への警戒は普段よりも強めなければならないだろう。


「それにしても魔獣見えないね」


「岩場だからな」


「ユキくんの感知スキルでも見えないならここには居ないんじゃないです?」


「僕のは感知スキルじゃないよ」


「スキルの力で敵の位置を認識出来てるんだからそれはもう別のだろうが感知スキルよ」


「そういうもん?」


そんな事より早く戻らないと本気で危ない


いっその事走るか?


・・・・・・・・・・・・・・・走ろう


「ちょっ・・・急に走り出してどうしたの?」


「後ろに魔獣がいる。体格から察するに装甲が厚いタイプだ。亀みたいな見た目してるから足は遅いと思う、だから急ぐよ」


「できれば走り出す前に言って欲しかったです」


「次からはそうするよ!!」


その言葉を最後に僕らはスピードを上げた。

〈マップ〉による超空間認識によって魔獣の位置を見ているが、こちらに向かってくる様子は無かった。

どうやら襲ってくるつもりは無いようだ。


とはいえ走るきっかけにはなったのでそのまま走り続けた。

階段までの距離は残りおよそ13キロメートル

とてもじゃないがぶっ通しで走り続けられる距離じゃない。

せめて乗り物が欲しいところだ


「ねぇ右奥に何かいるよ?」


「あのトカゲみたいな奴らか?」


「そのトカゲってどんな見た目ですか?」


「大人の人間よりふた周りくらい大きくて二足歩行・・・前足が小さい」


まるで小さな恐竜みたいな・・・


「リザードですね」


「リザード?」


「リザードはリザードランナーのようなものを運べる力も無く、かと言ってリザードマンのような知力も無いただ少しサイズが大きくて邪魔になるという誰も得をしない魔獣です。一応リザードランナーとリザードマンの進化前なんですけどね」


「進化前なのにあのサイズって・・・リザードマンはあれよりデカいの?」


リザードマンっていったら人に近い背格好で二足歩行をする亜人ってイメージがあるんだが・・・


「そんなわけないでしょ!」


「リザードマンはリザードが進化する際に全身の筋肉を発達させ四足歩行になるリザードランナーとは対照的に、全身の筋肉を収縮させることで密度を上げて二足歩行のまま全身の強化に成功したものです。さらにその際それまで全身に回り切っていなかった栄養が脳に充分供給されることによって高い知力を得るんです。」


「お前よく走りながらそんなに流暢に喋れるな・・・」


「エミリーの肺活量は凄いもの魔法の補正無しで水に何分もぐれてたと思う?」


「普通の人間なら2分持つかどうかだろうな」


「えぇ私は1分57秒だったからそれくらいね。でも残念エミリーはその倍3分54秒よ!」


「へぇー」


「何よその興味無さそうな反応は」


「できれば帰ってから聞きたかったかなーって思っただけだ一」


僕の声は何かによって掻き消された。

そしてその何かは再び僕らに牙を向いた。


「耳を塞いで!!」


それがリアの声だったのかエミリーの声だったのかは分からなかった。


僕らを襲った何か・・・それは声だった。


とてつもなく大きな魔獣の威嚇するような叫び声

それが・・・恐怖以外のなんだというのか。


「逃げないと・・・・・・」


逃げなければ


------死ぬ------

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