試験戦闘!!前編
「1対1の戦闘?」
「その通りだ」
「ペーパーテストとかは?」
「本来はあるんだがな、推薦枠は実戦での実力を軸に集める試験、ペーパーテストなんぞ時間の無駄だ。」
実力至上主義、なるほどそういうことか。
本気でやる人間相手の戦闘・・・楽しくないわけがない!!
だったら・・・
「やってやろうじゃん」
「ほう・・・いい目だ。闘技場へ来い、武器は自由使えるものは何でも使え。そしてお前の実力を俺に見せつけろ」
おじさんは楽しそうな笑みを浮かべ、闘技場へ連れていってくれた。
◆◇◆◇◆◇◆◇
「弓は使わんのか?」
「ええ、位置がバレてる状態からの弓は今の僕じゃ隙にしかなりませんから」
「なるほどな。よし!いつでもいいぞ、かかってこい」
おじさんはシンプルな片手剣を構え、先制攻撃はくれてやるとでも言わんばかりにそう言った。
「行きます!!」
僕は一気に地面を蹴り距離を詰めた。
低い体制から逆手に持ったナイフで切り上げる。
「やるじゃねぇか!」
流石にこの程度では簡単に防がれてしまう。
力技では何も出来ないことは分かっていた。だからこの武器を使っている。
そう・・・<ファントム・ナイフ>だ。
一瞬だけ強くナイフを押し込み、後ろに下がった。だが、おじさんの視界にはナイフを少しだけ引いた僕が映っている。
本体の僕は幻影の後ろに隠れ、魔装を発動する。
「ぬるいな・・・」
「ヤバっ!!」
咄嗟にバックステップで距離をとる。
おじさんの剣の軌道は幻影の僕ではなく、確かに本体を捉えていた。
「幻影を使ったのは良かったな。だが視界に干渉する程度じゃ魔力感知で丸わかりだ。まぁ試験としては上出来だ。合格点は取れたな。」
「終わりですか?」
「いいや?俺の攻撃をお前はかわしてるし、続けたいなら相手になる。今以上の実力を出せたら特別枠の合格も出来るだろうからそれを狙うのもアリだ」
特別枠は確か学費が一部免除されるんだっけ?
魔装を使う前だったからさっき以上の実力は確実に出せるし問題ないだろ。
「分かりました、とっておきをお見せします」




