王都で受験生と知り合いました
「んー!!よく寝たぁ」
たった一日の旅を終え、意識を失いはしたが無事王都に到着出来た。
早めに来た方がいいだろうと思い直ぐに来たのだが、予定日までどうやって暇を潰すかを考えていなかった。
ギルドでクエストでも受ければいい暇つぶしになるだろうが、試験が待っているのだから怪我をする可能性は出来るだけ下げておきたい。
かといって観光をするほどの金は持ち合わせていないのが現状だ。
さぁてどうやって残りの5日間をすごそうかな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
すごく簡単なことだった。
最初の2日間で簡単なクエストを受けて、強い魔獣や精獣と出くわしたらクロガネに任せて逃げる。
たったこれだけの事だったのだ。
クロガネに強い魔物を押し付ける形になってしまうが、強いと言ってもクロガネは名持ち(ネームド)だ。問題なく戦えるだろう。
もし逃げられなくても魔装を使えば肉体の疲労はかなりのものになるが勝てる。
分身体は弱いのが常識と言っても魔装で倒したのはドラゴンだ。本体であったとしてもそこらの魔物に負けるとは考えられない。
そう考えがまとまったのでギルドに来ているのだが、流石は王都と言うべきか人がかなり多い。
これではクエストひとつ受けるのにも苦労しそうだ。
人混みをかき分けながらクエストボードを見に行く。
驚くべきはその大量のクエストだ。今まで居た街の10倍はありそうなクエストボードのほとんどを埋め尽くす紙。
その光景はとても紙を貴重品とする世界のものとは思えない。
クエスト受けるの諦めようかな・・・
「ねぇ君、もしかして学園に受験しに来た?」
「そうだけど君たちは?」
話しかけてきたのは2人組の少女だった。
1人は短髪で活発そうな雰囲気の金髪、もう1人は長髪で大人しそうな銀髪、二人とも身長は僕より少し小さいくらい。おおよそ145cmと言ったところだろう。
「私はアリア・ヴァイル。リアって呼んでね」
「私はエミール・リース、エミリーと呼んでください。」
えーっと金髪の方がリアで銀髪がエミリーか。
「僕は舞城ユキよろしく」
「よろしくねユキくん。私達も推薦枠で試験を受けるの。でも早く来すぎちゃったからクエストを受けようって話になってたの。よければユキくんも一緒にどう?」
僕と同じ理由だな。やはり結構同じことをする人が居るようだ。
どうせ暇を持て余していたのだから断る理由は無いだろう。
「分かった、良いよ何にする?」
こうして2度目のパーティプレイが始まるのだった




