いざ王都へ
「頼むぞクロガネ」
『承知しました。先程見せて頂いた地図も頭に入っております。』
流石ハイスペックだな。
「全力で進めばどれくらいで着く?」
「主が身体強化系統のスキルを使用すれば一日で充分かと。そうでなくとも2日もあれば到着します」
「分かった。」
えっと・・・確かこんな術式だったよな・・・?
〈身体強化術式〉
ケットから教えてもらった身体強化魔術、移動するのにも便利だから覚えておくといいと勧められたから使えるようにはしておいた。
《スキル〈身体強化術式〉を取得しました》
スキルと術式の差はどこにあるんだろうか?ケットに聞いても、独学だから分からないと言われた。
まぁこれから学校に行くのだからそこで聞けばいいだろう。
クロガネに跨り、スピードを風の影響を出来るだけ少なくするために前傾姿勢を取った。
すると次の瞬間、全身が何かに叩きつけられたような圧を感じた。身体強化を行っているため痛みという程では無いが、それが無ければ確実に意識を刈り取られていただろう。
そしてそれがクロガネの超加速によるGだと気づくのにおおよそ3秒を要した。
とんでもない速さだ。
「ク、クロガネ!!」
『どうなさいましたか?』
「速すぎるから加速にもうちょい時間かけろ」
命令を聞いただけなのか顔色が悪くなったのを見てまずいと思ったのか、クロガネは言い切る前にスピードを落としてくれた。
この速度なら1日もかけずに王都に着くんじゃないか?
『主!!』
「どうした?」
『およそ2分後にハウル・グリズリーの群れと遭遇します。攻撃されぬようスピードを上げますのでしっかり捕まっていてください』
「マジかよ!!」
『マジです』
これ以上速度上げられたら僕気絶する自信があるんだけど。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『到着しました。ここが王都の正門です。』
「これが・・・正門・・・デカイな」
案の定途中から気を失っていた僕は、気づけば門の前でクロガネと立っていた。
ここにある三大学園に僕は入学するんだな。
なんだろうスゴい緊張してきた。
こんなんで本番大丈夫だろうか?
落ちる気しかしない・・・




