露骨な急展開の前触れだよ!!
テストがようやく終わりました。え?なんで今まで出さなかったのかって?
疲れて寝てたんだよ!
「そういえばユキは学園に通わないのかい?」
「学園?」
それはクロガネからプラウドウルフの死体を受け取って街に戻る時の事だった。
「そう。王都にある魔法学園、騎士学園、そして魔力戦闘総合学園。他にもあるにはあるけど有名なところはその3つだね。」
「今はそんなつもりは無いかなぁ。」
「強要するつもりは無いけど、魔法にしても魔術にしても、使いたいのなら学園に入って教えてもらうのが1番早いし、学園は小等部、中等部、高等部の3種類あってユキは中等部の年齢だから編入が可能だよ。その場合試験が難しくなるけど、さっき言った3つの学園は基本的には実力至上主義だから試験も実践的だし、入る前から魔法が使える人は居ないから武器を使ったものでも大丈夫だよ。」
話が長い!!
強要してるつもりは無いのだろうが、ここまでくると強要と取ってもいいのではないだろうか?
それにしても学園か・・・日本にいた時は学校なんて地獄以外の何者でもなかったけどなぁ。異世界だからってそれがないとも限らないし、ガチャを引けば魔法も魔術も簡単に手に入る。今のままで充分生活できるし、はっきり言ってメリットがない。
「学園かぁボクも行きたいなぁ」
「メドルは行かないのか?」
僕の記憶が正しければメドルは僕と同じ14歳のはずだ。僕は今年で14という意味なのだが、メドルはどうだろうか?
「ボクは盗賊だからねぇ。魔法学園にも騎士学園にも入れないよ」
「魔力戦闘総合学園はどうなんだ?」
「そこは入れる役職が多いから倍率たっかいんだよねぇ受けても受からないよ」
「もしかしたら受験する盗賊職が少なくて特別枠合格とか出来るかもよ?」
「特別枠なんて取ろうと思ったら盗賊スキル極めないと無理でしょ?」
適当に言っただけなんだが、特別枠は本当にあるようだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「随分かかりましたね」
「でもおかげで結構な数手に入ったよ」
「では精算してきますね」
そう言ってお姉さんはプラウドウルフの死体を職員専用の部屋に持ち込み、お金を持ってきた。
因みにこれにかかった時間はわずか30秒。
速い。
「こちらが報酬の36000メアです。」
「36000メアなら一人あたりいくらだ?」
「僕計算は苦手なんだよねぇ」
「ボクも苦手だなぁ。ケットが苦手なのは驚きだけど」
「はっ、みんなバカね。ひとり7000メアに決まってるでしょ!!」
「じゃあリーゼは7000メアな。残りの29000メアを4人で分けてひとり7250メア持っていくから」
「ちょっとなんであたしだけ少ないのよ!!」
「だってひとり7000メアに決まってるんだろ?」
「ちょっと間違えただけじゃない!!」
「実際は7200メアだったのにな。」
「「「おおー」」」
何故か上がる歓声。これが意味するものを、今の僕は理解していなかった。




