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手に入れたスキルはガチャでした  作者: 林藤ハルト
始まりの街編
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魔王城に行ったら仲良くなった

先日閲覧数が1200を超えていたのに気づいて驚きました。今月中に2000を目指します。


よろしくお願いします

「僕はユキ!!貴様らを従えし魔王へ挨拶に来た!!」


「挨拶だァ?怪しいヤツだ!!ここを通すと思うなよ!!」


僕は今、魔王城に来ていた。何で場所を知ってるかって?もちろんハヤトに聞いたからだよ。


クロガネの件で話があったのだが、本人に話すら通すつもりがないようで門番の2人は一向に通してくれない。


もう無理矢理にでも入ってやろうか?


でもなぁ・・・今の僕が正攻法で勝てる相手じゃないし・・・ゲームみたいに復活できるならともかくここではそんなことは出来ない。


死にたくないのは誰も同じだろう。


せっかく〈魔術師(マジシャン)〉になったのだ。魔王に大魔法を打ち込むのもいいかもしれないが、そもそも熟練度が足りないし大魔法にあたるスキルなんて持っていない。


そう・・・やることが無いのである。


「なんの騒ぎだ!!」


「し、シエル様!」


「そこの人間は何者だ」


門から出てきたのは悪魔族(デーモン)の一種だ。名前持ち(ネームド)なら大悪魔(アーク・デーモン)か?下手をすればもっと高位かもしれない。


警戒した方が良さそうだな。


「僕はユキといいます。魔王にちょっかいをかけられたのでお返しに来ました。」


「ちょっかい?どういうことだそれは」


「クロガネ・・・いえ、僕のテイムしていた魔獣が死ぬ直前まで痛めつけられたのですが」


「あぁ、そういう事か、そういうことなら話は通っている。入るがいい。」


え?こんなにあっさり入れていいの?


罠の匂いがプンプンするゾ!!


まぁ入るけどね。


中は外のように明るくなかった。暗闇という訳では無いしむしろ元ニートとしては理想的とも言える。


「こういった空間はお好みですか?」


「ええ、明る過ぎず暗過ぎず、それでいて暗い場所・・・そういう場所は好きですね」


「ふふふ・・・あなたは話せますね。魔王様との会談が終わったらお茶会でもどうです?美味しいものがございますよ?」


「すみません。一応この近くで生える薬草の採集をするという名目で来てるので長居は出来ないんですよ。」


「そうでしたか、それは残念です。」


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「魔王様、例の方がお見えになりました。」


「入れ」


魔王と思われるその声に答えるように、大きな白い扉が勝手に開いた。


自動ドアかよ!!


「貴様があの使い魔の主か?」


「そうですが?」


「陸の王者とも言われるダーク・ウルフをネームドにした者が居ると聞いたのでな。そやつを見に行ったのだ。すると耐性スキルのひとつも持っていないときたのでな。与えてやったのだ。」


得意げにそう言う魔王。


余計なお世話だ!!と思ったが攻撃はしない。

最初から攻撃するつもりなど無かったのだ。


「ありがとうございます。おかげでかなり強くなりましたよ」


笑顔でそう返しておく。


「怒ってはいないのか?」


「怒る?何故です?」


「私は貴様の従魔を傷つけたのだ。仕返しに来たのだろう?」


「仕返しなんてしませんよ?」


「なに?・・・では何故ここに来たのだ?」


「僕の知り合いが魔王を討伐するって意気込んでたのでその魔王と面識を作っておきたいなぁと思って来ただけです。」


「本当にそんなくだらない事で来たのか?」


「はい。クロガネが死んでいたら仕返しに来てたかもですけど。生きてますし・・・というか強くなってたし。」


「・・・貴様・・・名はなんと言う?」


舞城祐希(マイジョウユキ)ですが?」


「舞城だと??シエル!!少し席を外せ。」


「は!!」


なんだなんだ!?舞城って苗字に何かあったのか?


「初めまして舞城くん、俺の名前はトウノ・レオ漢字で書くとこんな感じだよ。」


そう言って空中に光の文字を浮かび上がらせる


東野玲音


なるほど日本人か。


この世界で使われている文字は日本と全く同じだが、何故か名前は全てカタカナになっている。つまり漢字の名前を持つものは日本人という事だ。


「あなたも日本人だったの?」


「あぁ、本音を言うと人間として産まれたかったけどね。俺は半魔族(ハーフデーモン)として産まれたんだ。父親が大悪魔(アーク・デーモン)で母親が人間・・・おかげで今の地位に着くのが大変だったよ。」


「へぇ・・・じゃあ遠野さんは転移者じゃなくて転生者なんですね。」


「敬語は要らないよ。確かに俺は転生者だね。」


その後、3日魔王城に泊まり込み、日本の話をしたのだった。

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