身体が痛い
「イッ!!」
全身に駆け巡る激痛、それはこっちの世界に来て初めての経験。
激しい運動をした後に起こる筋肉の悲鳴。
そう筋肉痛である。
ドラゴン討伐は弓を使わず、魔装を使用した肉弾戦、つまり近接格闘をやったのだ。こちらの世界に来てから運動を毎日やっているとはいえ、筋肉痛にならなかったのはスキルの補助があったからだ。
補助を上回る不可をかければ身体へのダメージは一気に来る。
これでよく筋肉痛程度で済んだものだ。
もう1つ驚きだったのは竜の買取価格だ。
青金貨2枚。2000000メア、日本円で200万円だ。
小金持ちになったねぇ。
しばらくは働かなくても生きていけるようになったわけだ。
そろそろ家が欲しいところだが、パーティも組んでみたいしね。どっちを優先するべきかな?
まぁどちらにしてもこの筋肉痛が治るまでは動けないし1週間くらい外に出るのは控えよう。
ご飯は食べないと死ぬからギルドには行くけどね。
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「今日はどのクエストにしますか?」
満面の笑みでそう言ってくるお姉さん。そりゃ毎日クエスト受けてたら条件反射的にそうなるわな。
「今日はクエストじゃないんだよ。昨日の竜討伐で筋肉痛になっちゃったからさ」
「ソロで竜を討伐したのですから休みをとるのもいいことですね。それでしたら今日は何をしにこられたんですか?」
「そろそろパーティとか組んでみたいなと思ったからさ、メンバー募集の貼り紙を作れないかなぁと思ったんだけど・・・」
「募集用の紙ですね。分かりました。これを使ってください。」
そう言ってお姉さんは1枚の紙を差し出した。
その紙はクエスト発注と同じもので、もちろん白紙だった。
パーティ募集に関する必要事項を記していく。
そうして書いた内容はこうだ。
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パーティ名は未定
現在の確定メンバーは僕1人
採用条件
・年齢、性別は問わない
・スキルを使えない初心者でも可能
・面接を行って信頼できそうだと思える者
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「確認よろしく」
「・・・職業に関する記述が無いようですが大丈夫ですか?」
「職業?」
「ええ、職業です。そういえばユキさんは職業選択の儀式を受けてませんでしたね。宜しければ明日に予約を入れておきますが大丈夫ですか?」
「ああ、うんそれはありがたいんだけど、職業って記述するもんなの?」
「もちろんです。職業は1つ得てその職業スキル全ての熟練度をMAXにして初めて第二の職業を得られるんです。パーティは職業を見て選ぶと言っても過言ではありませんよ。」
あれぇ?おかしいな・・・僕既に職業複数持ってるんだけど?
これもガチャの効果なんだろうな。
「分かった。面接の時に職業も見ることにするよ。あと職業選択の儀式は明日でいいんだよね?」
「はい。昼頃にこちらに来て頂ければ出来ますよ。」
「ありがとう。それじゃあ晩御飯食べて帰ることにするよ」
「お疲れ様でした。明日お待ちしてますね」
職業選択、何が出来るか楽しみだ。




