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手に入れたスキルはガチャでした  作者: 林藤ハルト
始まりの街編
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身体が痛い

「イッ!!」


全身に駆け巡る激痛、それはこっちの世界に来て初めての経験。

激しい運動をした後に起こる筋肉の悲鳴。


そう筋肉痛である。


ドラゴン討伐は弓を使わず、魔装を使用した肉弾戦、つまり近接格闘をやったのだ。こちらの世界に来てから運動を毎日やっているとはいえ、筋肉痛にならなかったのはスキルの補助があったからだ。

補助を上回る不可をかければ身体へのダメージは一気に来る。

これでよく筋肉痛程度で済んだものだ。


もう1つ驚きだったのは(ドラゴン)の買取価格だ。

青金貨2枚。2000000メア、日本円で200万円だ。

小金持ちになったねぇ。


しばらくは働かなくても生きていけるようになったわけだ。

そろそろ家が欲しいところだが、パーティも組んでみたいしね。どっちを優先するべきかな?


まぁどちらにしてもこの筋肉痛が治るまでは動けないし1週間くらい外に出るのは控えよう。

ご飯は食べないと死ぬからギルドには行くけどね。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「今日はどのクエストにしますか?」


満面の笑みでそう言ってくるお姉さん。そりゃ毎日クエスト受けてたら条件反射的にそうなるわな。


「今日はクエストじゃないんだよ。昨日の(ドラゴン)討伐で筋肉痛になっちゃったからさ」


「ソロで(ドラゴン)を討伐したのですから休みをとるのもいいことですね。それでしたら今日は何をしにこられたんですか?」


「そろそろパーティとか組んでみたいなと思ったからさ、メンバー募集の貼り紙を作れないかなぁと思ったんだけど・・・」


「募集用の紙ですね。分かりました。これを使ってください。」


そう言ってお姉さんは1枚の紙を差し出した。


その紙はクエスト発注と同じもので、もちろん白紙だった。


パーティ募集に関する必要事項を記していく。


そうして書いた内容はこうだ。


---------


パーティ名は未定


現在の確定メンバーは僕1人


採用条件

・年齢、性別は問わない

・スキルを使えない初心者でも可能

・面接を行って信頼できそうだと思える者


---------


「確認よろしく」


「・・・職業に関する記述が無いようですが大丈夫ですか?」


「職業?」


「ええ、職業です。そういえばユキさんは職業選択の儀式を受けてませんでしたね。宜しければ明日に予約を入れておきますが大丈夫ですか?」


「ああ、うんそれはありがたいんだけど、職業って記述するもんなの?」


「もちろんです。職業は1つ得てその職業スキル全ての熟練度をMAXにして初めて第二の職業を得られるんです。パーティは職業を見て選ぶと言っても過言ではありませんよ。」


あれぇ?おかしいな・・・僕既に職業複数持ってるんだけど?


これもガチャの効果なんだろうな。


「分かった。面接の時に職業も見ることにするよ。あと職業選択の儀式は明日でいいんだよね?」


「はい。昼頃にこちらに来て頂ければ出来ますよ。」


「ありがとう。それじゃあ晩御飯食べて帰ることにするよ」


「お疲れ様でした。明日お待ちしてますね」


職業選択、何が出来るか楽しみだ。

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