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手に入れたスキルはガチャでした  作者: 林藤ハルト
始まりの街編
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鉱山は何かありそうでした

「やぁユキくん昨日ぶりだねぇ。ここに何の用だい?」


「あんたは・・・名前・・・なんだっけ?」


「ん?あぁそういえば名前言ってなかったね。私は西村隼人(にしむらはやと)だ。改めてよろしくね。」


「それで?ハヤトさんは何しに来たんだ?」


「先に質問したのは私のはずなんだけどねぇ・・・まぁいいだろう。私はこの鉱山を調査し、中で生息する魔獣と、その数を計測するクエストを受注したのだよ。それで君は?」


「僕が受けたのは魔鉱石の採集だよ。武器を作るのに必要で以前使ってた鉱山が廃坑になったから手持ちが無くなったんだと。」


「なるほどねぇ・・・それなら一緒に行かないかい?この鉱山には何かありそうだし、ソロは危険だろう?」


「カイトはどう思う?」


「幻影魔法の跡がある。間違いなく危険だ。それでなくても鉱山は一人で行動するところじゃないからな。」


解析(アナリディカル)〉は視界に入る全てを解析する。その能力を持ってすれば魔法の痕跡などひと目でわかるのだ。


---ガチャで〈解析(アナリディカル)〉は出せる?---


《排出一覧に、〈解析(アナリディカル)〉はありません》


そんなに上手くはいかないか。

まぁ予想でできてたけど。


《しかし、同系統の〈解析(アナライズ)〉は存在します。》


・・・それ・・・どう違うんだ?


「じゃあ臨時パーティといこうか。」


「決まりだね。皆もいいだろ?」


「「「問題ない。」」」


「そういえば・・・君だけ名前聞いてないけどなんて言うの?」


「ボク?」


「うん。」


「ボクは・・・カエデ・・・藤野楓(ふじのかえで)


「これで全員の顔と名前一致したかなぁ?」


ホントに気の抜ける喋り方するな・・・このリーダー・・・この人なんでリーダーやってんだろ?


「君・・・今失礼なこと考えたでしょ?」


「別に・・・」


さとりかよ怖いわ!!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「これ・・・全部魔鉱石なのか!?」


「いや・・・魔鉱石だけじゃねぇ!魔晶石もある。これはすげぇ・・・」


「キレイ・・・」


「僕のクエストこれ回収したら終わりだし臨時パーティは解散でいいよなー」


ガシッ!!


「逃がさないよォー」


なんでだよ!!


「せっかく会ったんだからもうちょっとおしゃべりしようよォ」


「それ素で喋ってんの?」


「いいや?キャラ作りだけど?」


「素じゃないなら止めてくれ。キモイ」


「ひっでぇー」


こんな馬鹿な会話をしつつ大量の魔鉱石を回収していく。

ここに来る前にバックパックを買っておいて正解だったな。これなら報酬額も上がりそうだ。


「今・・・何か聞こえなかった?」


そう言い出したのはカエデだった。

聞けばカエデの固有スキルは〈超脳力〉といい、脳の力をフルに使えるらしい。体にかけられたリミッターを外したり出来る・・・文字通りのチートである。


これを利用して、クエスト中はずっと嗅覚と聴覚を強化しているらしい。

すっごい疲れそうだから使いたくないけど。


「なにか来る。これは・・・コウモリ?」


「蝙蝠の魔獣か・・・キモイな」


「数は?」


「5匹だと思う。」


「私がやります。〈水弾連射(アクアアサルト)〉!!」


透明な水の弾丸がコウモリを貫通する。


「逃した!!」


「〈シングルショット〉」


瀬戸さんが逃した1匹を僕の放った矢が捉えた。

我ながら見事な連携プレーである。


「ぉぉー」


と何もしなかったリーダーが感心したように声をもらした。


「さっ僕はホントに帰りますよ。もう夕方になりますから。」


「おつかれー」


「また今度な」


何故か次も会うような流れになってるが、昨日の今日だ。きっとまたすぐに会うことになるのだろう。


そんなことよりクエストだ。早く帰ろう。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


「魔鉱石15キロ・・・随分集まったんですね。」


「いや入ってすぐの所に沢山あったからね。楽だったよ。」


「そうですか。それではこれでクエスト完了ですね。メビウスさんのお店に直接渡しに行きますか?」


「そうするよ。早く会ってみたかったしね。」


鍛冶師メビウス・・・会うのが楽しみだ。

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